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特別捜査 ある死刑囚の慟哭

2016年作品、クォン・ジョングァン監督、ム・ミョンミン主演。

スンテ(キム・サンホ)は一人娘のドンヒュン(キム・ヒャンギ)を学校まで送っている。男所帯だが、しっかりお弁当も作るほどだが、なぜか裏手の離れたところに車を止め、そこでお弁当を渡して送り出す。 スンテの腕には刺青があり、彼は前科がある。 それをほかの生徒に見られたくないドンヒュンだった。 しかしそこに警察が現れ、スンテは捕まってしまう。 容疑は殺人罪だった。
賭博の一斉摘発の大捕り物の現場に高級車に乗ってきた一人の男がいた。 彼はなぜか警察に顔パスで、若い刑事にも高圧的な態度、そして班長にも融通が利く感じだった。 彼はピルジェ(キム・ミョンミン)といい元刑事で、犯罪者たちに弁護士を紹介する法曹ブローカーに転身して羽振りのいい人間になっていた。 だから賄賂もこまめに班長に渡している気が利く男に変身していた。
ピルジュは暴力事件がもとで警察をクビになっていた。 しかし、そんなピルジェに辞め検のキム・パンスー(スン・ドンイイ)が一緒に仕事をやらないかと誘ってきたのだった。 彼はかつらがばれて検事でいられなくなり弁護士に転身、ピルジェの取り分を3割にしてパートナーになったのだった。
一方スンテは、無罪を主張していたが、なぜか一切の意見が聞き入れられず、懲役15年の殺人罪の判決を受けていた。 しかしそんなスンテからある日、無実を訴える手紙が送られてくる。 スンテは仁川を牛耳る財閥企業デヘ製鉄の夫人が殺害されたユン・ジャリム事件の犯人として逮捕されていた。
事件を担当したのはピルジェを騙してクビに追いやったヤン刑事(パク・ヒョックオン)であり、彼に復讐するため事件の真相を暴き、刑事を辞めさせようと考えるのだった。 しかし事件の背後には、想像をはるかに超える闇が広がっていた・・・

今回の韓国作品は、ちょっとコミカルな部分もある冤罪を取り上げた巨悪の作品でした。 監督はクォン・ジョングァン、他作品が1作あるようですが未見です。
主演はキム・ミョンミン、真面目そうな風貌ですが、今作ではしたたかなブローカー役でした。 出演作を見るのはこれまた初めてですね。
また、死刑囚役のキム・サンホは独特な風貌で、多くの作品に出演しています。「ビューティーインサイド」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14050472.html にも一部出演していますが、彼は一目見て忘れられない俳優ですね。
そしてベテラン女優のキム・ヨンエ、良い役が多い彼女ですが、今作は凄い役でしたね。 「弁護人」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14561390.html とは打って変わった役でした。
物語は、裏切った同僚への復讐で引き受けた弁護の仕事でしたが、途中でおっぽり出せなくなってしまったこの一件が、実は根深い巨悪に繋がっていくというお話でした。 デヘという巨大企業の嫁が殺された事件、実はこの企業は過去に失態をして信用を失い、ここにきて社のイメージを変え “DH” というCIを作って再び盛り返していく途中なんですね。
仁川には知らない者がないほどの大企業、警察も、人間もすべてをコントロールしてしまう闇深い企業で、いろんなところに網を張っている。 もちろんこの殺人事件はスンテの仕業ではありませんが、いろんな人間を買収して犯人に仕立て上げたことがだんだんわかってきますが、そこにどす黒い実行部隊がいるんですね。
はじめは個人的な恨みで引き受けたピルジュ、しかし娘のドンヒュンへどんどん思い入れが湧き、とうとう巨悪に立ち向かう事になって行きます。
しかし韓国映画には決まって警察腐敗が描かれますが、今作もそこがきつめに描かれていますね。

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法曹ブローカーに転向した元刑事のピルジュ

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父が殺人罪で逮捕されたドンヒュン

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殺人罪に問われ

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刑務所に

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パートナーと彼の弁護を受けるピルジュ

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そして暴漢が襲い掛かってくる

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そして財閥を率いる女性

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