anttiorbの映画、映像の世界

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細雪

1983年作品、市川崑監督、岸恵子佐久間良子、吉永早百合、古手川祐子石坂浩二出演。

昭和十三年の春、京都嵯峨の料亭、蒔岡家の四姉妹と幸子(佐久間良子)の夫貞之助(石坂浩二)が花見に来ている。 幸子は今度の雪子(吉永小百合)の縁談を本家の長姉鶴子(岸恵子)から、家系に問題があるとの理由で断わるように言われ苛立っていた。
五年前末娘の妙子(古手川祐子)が、船場の貴金属商奥畑の息子啓ぼん(桂小米朝)と駆け落し、その事件が新聞ダネになり、しかも雪子と間違って書かれ、本家の辰雄(伊丹十三)が奔走して取消し記事を出させたら、妙子の名をより大きく出す結果になったことがあった。
妙子も雪子も本家の不手際から分家の幸子の 家に居つくようになってしまったのである。
人形作りに励む妙子は、啓ぼんとの仲も冷め、奥畑家にもと奉公していて、現在は写真家で立とうとしている板倉(岸部一徳)と親密な間柄になっていた。
蒔岡家は、あくまでも年齢順で嫁がせようとしていた。 しかし雪子は下の妙子の後でも一向に構わないと思っていて、どの見合いも乗り気ではなかった。 さらに些細なことで、鶴子と辰雄と言い合いになってしまい、妙子は本家を飛び出してしまう。
幸子はそんな末妹が心配になり、板倉のアパートを訪ねていくが、ちょうどその時啓ぼんが妙子と板倉のところに乗り込んできたときだった。 彼は自分が紹介したと言って激怒し、板倉の愛用のカメラを壊してしまう。
そんな折、たま たま妙子が家に戻った時に電話がかかってくる。 それは板倉が病気で倒れたという知らせだった。 板倉の母も来ていて、彼は妙子に会いたいと苦しんでいたのだった。
しかし結局板倉は中耳炎をこじら せて急逝してしまうのだった。
一方、雪子は、鶴子が夫の筋から持ってきた銀行員、幸子の女学校時代の友人、陣場夫人(新橋耐子)の紹介の水産技官野村(小坂一也)、幸子の行きつけの美容院のマダム井谷(横山道代)が持ってきた製薬会社の副社長橋寺(細川俊之)と見合いするが、いずれも雪子が気にいらなかったりとうまくいかなかった・・・

3度の映画化となっており、私が見たのが一番新しい1983年版です。 監督は市川崑、前にも書きましたが、私は監督のタッチが好きなんですね。 何か肌が合うというんでしょうか、見慣れているというんでしょうか。 独特な差し込まれたような一瞬の画像が特徴的で、それが私にはぴったりくる。 サスペンス、ミステリーに適していますが。
この作品は4姉妹の物語なので、このキャストがやっぱり豪華でないといけません。今回は岸恵子佐久間良子、吉永早百合、古手川祐子という感じで、これも豪華ですね。 今から30年ちょっと前、それぞれ女盛りの4人ですし、美しさが際立っているころ、古手川祐子のやんちゃな感じは当時清純派だったところから、多少脱却していく頃でしょうか。
物語の原作は谷崎潤一郎、書かれたのが第2次大戦前夜だったので、連載と同時にどんどん戦争に突入していく時代、終盤は戦局が悪化していくかもしれないという不安な顔で終わっています。
そんな中で京都の料亭で生まれた4姉妹が、時代に移り変わりの中で、それぞれにだんだんと自分の生活に変化していくことから内面さえも変わっていく姿が描 かれていますね。
4姉妹を演じる各女優のバチバチ感も見ることができるし、そこに振り回される二人の夫、そんな構図についつい引き込まれる作品でした。

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自由奔放な4女の妙子

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しかし彼女は鶴子とぶつかり家を飛び出す

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由紀子の見合いに鶴子と幸子も同席

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さらに別のお見合いに

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4姉妹揃って

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