夜のハイウェイ… 「ディック・ロラントは死んだ」…
中には1本のビデオが。 中身は夫妻の家の玄関前だった。 次の日の朝もビデオが。 今度は夫妻の寝室と、眠る二人の姿が映っていた。 警察を呼んだが、打つ手は別にない。
その夜、レネエの友人アンディ(マイケル・マッシー)のパーティにて。 白塗りのミステリー・マン(ロバート・ブレイク)がフレッドの前に。
「前にお会いしましたね...」 「お宅です..あなたの家です...」 「ご記憶は?」 「今も実際にあなたの家にいますよ...」 「私の電話でご自宅に電話をしてみてください...」 「早く...」
彼の言うまま、自宅に電話してみると、目の前の男の声が自宅から響く。 アンディに聞くと、彼はディック・ロラントの友人という。
混乱したまま帰宅したフレッドに、またあのビデオが出現。 映っていたのは何とレネエのバラバラ死体……意識が寸断したまま、フレッドはいつしか警察にいた。
妻殺しの容疑で彼は死刑を宣告される。 ところが、独房にいたはずのフレッドは、いつしか別人の修理工の青年ピート(バルサザール・ゲティ)に変わっていた。
さっぱり意味が分からなくなった警察官刑事たち。 ピートはすぐに身元が調べられ釈放されるが、どうして自分がここにいるのか、よく覚えていないのだった。
ある晩、ピートの自宅の前で何かが起こったのだというが、両親も誰も何も話してくれない。 釈放されたピートは職場に戻るが、そこに現れたのが知り合いで町の顔役ミスター・エディ(ロバート・ロッジア)だった。 そして彼は美しい女性・アリス(パトリシア・アークェット=二役)を連れていた。
ピートはあっという間に彼女に魅入られ、そんな彼女は、今度は一人でピートのもとに現れ、そしてピートは彼女に夢中になってしまう。
しかし、エディに知られたら大変なことになってしまう恐怖感をも感じるピートだった…
監督は奇才デヴィッド・リンチ、主演は、はじめと最後に登場するビル・プルマンなのか、それとも途中入れ替わる? バルサザール・ゲティなのか。 はたまた二役のパトリシア・アークェットかもしれませんね。 いやいあやミステリーマンのロバート・ブレイクでは?
物語はこの後、ピートとアリスの中をだんだんエディが感づき始める展開になっていき、アリスは先手を打って、ピートにエディを殺させようとするんですね。
しかしここでまた入れ替わりが。
この作品、入れ替わりが行われるだけでなく、時間軸にもぶれが生じて行きます。 過去と未来がどんどん置換していく、手掛かりはレネエとアリスの二役というところなんで、パラレルワールド、現世と来世で生まれ変わりともとれるんですね。
ただ、そうなると刑務所で入れ替わったと金、警察が同じく存在していますし、入れ替わりを奇妙な出来事として認識していることから、やはり同時間帯に入れ代わりが発生していることに。
監督自ら脚本参加をしているという事ですが、さて難解な作品を撮ってくれました。意味が解り辛くても、つまらないと言い切れない作品、実に困る作品でした。