anttiorbの映画、映像の世界

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不毛地帯


1976年作品、山本薩夫監督、仲代達矢主演。

近畿商事は資本金39億、3000人の従業員を抱える、10本の指に入る総合商社である。 数多くの海外拠点を持っている。
社長・大門一三(山形勲)の目の前にある書類は 「防衛庁への戦闘機納入に関する条件」 という秘密書類だった。 
元陸軍中佐・壱岐正(仲代達矢)の面接は今日だった。 彼は11年間もシベリアに抑留されていた。 そして2年間無職だった。 大門は彼の軍隊での能力を買って迎え入れたいという。
しかし彼はシベリアの話は一切聞かれてもしなかった。 そして大門は嘱託として社に迎え入れられた。
家に帰り家族は祝福してくれた。 しかし壱岐は商社マンを自分ができるか、ちょっと不安だった。 そこに親友の防衛部長・川又空将補(丹波哲郎)が訪ねてきた。 原田空幕長(加藤嘉)が参議院に立候補することを知らされる。 手伝ってくれるよう頼まれるが、彼はさらっと拒んだ。
娘の直子(秋吉久美子)は父との風呂屋の帰りにお願いをする。 もう軍人はやめてほしい、会社勤めをしてほしいという。 そして彼は川又の防衛庁への誘いではなく、近畿商事に行くことにした。
終戦の時、壱岐関東軍に対して、即時停戦するよう伝えることを任務を受けた。 ソ連軍迫る中、速やかな引き上げができるかどうかを壱岐の働きにかかっていた。物凄い反発を受ける中、秦彦三郎関東軍総参謀長 (中谷一郎)の一喝、山田乙三関東軍司令官(小山源喜)の決定を受け、関東軍は停戦を決めた。 壱岐は帰還して復命する予定だったが、傷ついた川又と出会い、彼を自分の代わりに帰還させる。 しかし彼はそのため関東軍に残り、シベリアに抑留されたのだった。
想像を絶する苦難だった。 壱岐は近畿商事で何をするのか?・・・

この作品は小説としても有名ですね。 しっかり映画としてみるのは初めてですが、確かに言われているようにモデルは瀬島氏ですね。
戦後政治家の影のフィクサーと言われた切れ者の人物ですね。 ロッキード社をラッキード、グラマンをグラントなっていますが、この当時はよく聞いた航空機メーカーですね。 どうもこの作品を見ると、有名な 「ロッキード事件」を思い浮かべますね。
時の首相・田中角栄が退陣後に逮捕された事件ですから。 幼心に総理大臣をやった人が逮捕されるショッキングな事件でした。
政府、防衛庁、商社、そしてアメリカ航空機産業、複雑に各人の思惑、利益、出世、が織りなす人間模様は時代を超えて面白い作品です。 山本監督は数多くの名作を作っていますが、また機会あれば見たいですね。 「皇帝のいない八月」は好きな作品です。

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シベリアから帰還した壱岐

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商社マンとして生きるか


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選挙の手伝いの話も来る


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親友の川又からの話だったが

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そして彼は商社マンとなった

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