少女サト(本多叶奈)が8歳の夏。 友達と海水浴に出かけていた。 突然彼女一人が呼ばれた、車で送られる。 車で待たされている間、外は雨だった。
彼女は家族が何者かによって殺害された。 1人残されたサトは、祖父ソウイチ(柄本明)に引き取られることになった。
今の家に引っ越してくる前に初めてここに来たとき、父や母、姉と公園に来た。 綺麗な公園だった。 そんな思い出があった。
祖父の車に乗っていると突然お腹が痛いと言うサト。 ソウイチが薬を買いにいいいている間にサトは一人で公園に入っていく。 必死で探すソウイチ。 公園を抜けた商店街でサトはテレビで 「法律が許しても、僕がこの手で犯人を殺してやります」 と言い放つ男を目にする。 それは、妻子を殺された鍵屋のトモキ(長谷川朝晴)だった。
今まで出なかったおしっこが出た。 そして車に戻ってきたサト。 「私は死なないことにした。 お姉ちゃんの歳を追い越して、お母さんの歳も追い越すの」 そう言うサトだった。 サトの家族を殺した男は直後に自殺していた。
ミツオ(忍成修吾)はベビーカーの母と赤ん坊を殺した。 橋で見かけて後をつけ、河原で殺した。 悲しみに打ちひしがれるトモキはたびたび事件現場に足が行ってそのたび泣き腫らしている。 復讐サイトを見て、刑務所の男を殺す方法を探ってもいる。
桜の葉が舞い人が集まってきた。 直子もその桜が舞う綺麗さにそばに寄っていった。
彼の副業は雪の中で行われた。 ある男を探している。 波田(佐藤浩市)という男で、廃墟のビルにいた。 彼に何の用が? そう彼に死んでもらいに来たのだった。彼は末期癌で、家族から依頼を受けているのだった。 探すようにではなく、死んでもらうようにと…
登場人物の多さと、278分というとても長い作品です。 さすがに劇場上映の時は休憩が入ったとか。
二つの殺人事件で生き残ったサトと、トモキを中心に、未成年で殺人を犯したミツオ、そしてやもめ警官のカイジマ。
「アントキノイノチ」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8880583.html の瀬々監督の作品ですが、どうしてあの作品の最期があういうつくりになったのか、この監督のこの作品を見て何か通じるものがありました。
人間の描き方が、徹底しているんですね。 あまりさらっと流して描くのでなく、一人一人をえぐるように描く感じでした。 だから隙間をびっしり描かれています。
確かに全部一気に見るのは大変で無理ですが、この作品は九つの章に分かれているので、ドラマのように観ればいいのではと思いました。 正直あまりの長さと長くすれば人物も多くなり散漫になります。 テーマもどれが一番伝えたいのか、何を最後に残したいのか、さすがにぼやけてしまっている感じがしました。
ただ家族を突然失った二人が妙な絆の中、復讐をしようと必死に追いかけて行く執念は伝わってきました。
カイジマ親子
ミツオと恭子
サト
トモキ
カナ
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