anttiorbの映画、映像の世界

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舟を編む

2013年作品、石井裕也監督、松田龍平宮崎あおい加藤剛出演。
 
1995年、玄武書房の辞書編集部でベテラン編集部員の荒木公平(小林薫)が定年を迎える。 監修を担当する元大学教授の松本朋佑(加藤剛)からは、定年後も残って欲しいと説得を受けていたが、妻の具合が悪いので、この機会に仕事を離れたいという荒木の意志は強かった。
落胆する松本の姿に、荒木はなんとか後釜を見つけるという。 松本は 「荒木くんのような人間はいない」 と言い、西岡(オダギリ・ジョー)に質問をする 「”右”という言葉を説明してください」。 
ところがこれがなかなか難しく、西岡には説明できなかった。 荒木はこの質問をキーワードにして、本社ビルの社員にぶつけてみるが、誰も辞書編集部には行きたくない。
そんな時、荒木の彼女の三好麗美池脇千鶴)が営業部に面白い子がいるという。大学で言語学をやっていたそうだが、営業はからっきしということだ。 名前は「マジメ」 という。 西岡は荒木にその話をして、二人は彼を見に来た。 早速荒木は馬締(こう書く、本名だった!)に”右”の質問をする。 そうするとたどたどしく彼はこういうのだった 「西を向いたときに北にあたる方」。 「いた!」すぐに馬締は隣にある古めかしいビルにある、辞書編集部に異動となった。 そこから「大渡海」という新しい辞書の完成に向かって編集部は走り始めるのだったが・・・
 
長いあいだのCM期間で、だんだん公開が近づくにつれ見たい気分が盛り上がっていった作品でした。 ポイントのセリフは予告編でやっていましたね。 この作品は地味ですが、若い人に見て欲しい作品ということを痛感いたしました。
言葉ということに秘められた大きなテーマ、言葉は時代によって変わっていくものだが、本来の意味をちゃんと知っていないといけない。 私のこのブログ記事だって、決して本来の言葉使いがなされているかは大変疑問で、恥ずかしい思いにさえ陥りました(^^)。
辞書編纂の苦労も然ることながら、馬締くんの言う、辞書に落ちがあってはいけない、間違いがあっては辞書は信用されない、強烈な責任感、それも何年も持ち続けることの強い意志を、何か失った日本人の心が揺り動かされる作品でした。
役者陣も好演でしたね。 若いふたりの高い演技力は、もう問題ないですが、脇の加藤剛、なんといってもオダギリ・ジョーが好演でした。 彼が泣く泣く移動になり、あるところで泣くシーンはこっちも涙が出ました。 また下宿のおばさんタケさん役のの渡辺美佐子さんが良かったですね。 初め馬締のたったひとりの理解者でしたが、彼女がいたから、こんな偏屈な彼も、素晴らしい結婚ができたんですから。 
しばらく大きな辞書など手に取ってみることはなくなっていますが、これを作るまでにどれだけの苦労があったかを、思いながら眺める辞書もまたいいかもしれませんね。
 
小学校の頃、死んだオヤジの持っていた広辞苑を学校に持っていき、もっと小学生らしいのを持ってきなさいと言われたことを仄かに思い出しました。 私の父は中学校の教師でしたが、父の形見のような感覚だったんでしょうかね。 もちろん言葉を引いても、何か子供には難しい表現で、逆に分からなくなっていました。
言葉が荒れていると言われていますが、この作品で辞書を作っている編集者たちは、そんな今使われている言葉を絶えず集めている姿には驚嘆しました。いい作品です。ぜひ若い人にも、特に小中学生にしっかり見てもらいたい作品でした。
 
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大辞書を作る編集部
 
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ここに異動になった馬締
 
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同じ下宿にいた美人
 
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彼女は女性の料理人・林香具矢
 
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言葉で言ってほしい!
 
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先輩の西岡が異動になってしまう
 
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