anttiorbの映画、映像の世界

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あの日 あの時 愛の記憶

2011年作品、アンナ・ジャスティス監督、アリス・ドワイヤー、ダグマー・マンツェル出演。

1976年、ハンナ(ダグマー・マンツェル)は、優しい夫と娘に恵まれ、幸せな日々を過ごしていた。 彼女はドイツ系ユダヤ人。 明日は家で夫・ダニエル・レヴィーン(デヴィッド・ラッシュ)のためのパーティーがあり、クリーニング屋にテーブルクロスを取りに来た。
引換券を忘れたので、ちょっと待たされていた時、テレビから流れてきた映像に彼女は、ものすごく衝撃を受けた。 それは・・・
1944年、ポーランドアウシュヴィッツ強制収容所で彼女は強制労働を強いられていた。 政治犯であるトマシュ(マテウス・ダミエッキ)は立場上、ほかのものとは立場が違っていた。 巧みに賄賂を渡しながら、そこそこにきつい労働は免除されていた。
彼はポーランド人、彼はここを脱出して、レジスタンスにある情報を渡すことを計画していた。 しかし彼はハンナ(アリス・ドワイヤー)と恋に落ちていたのだった。
なんとか脱出するときに彼女を連れて行きたい。 毎日ある時間になると、ドイツ兵がいなくなる。 その時間だけが二人が会って、つかの間の愛を確認できるのだった。
ある日、その時間に彼女は来なかった。 実は彼女は妊娠をしていたが、ハンナはトマシュに言えないでいた。 トマシュはいよいよ脱走を決行する決心をした。 一人になったその時、隠してあったドイツ将校の服を取り出し、将校に化け、居丈高にハンナを指名し、外に出すことにした。
普段かけているメガネを外し、捕虜を別の場所に連れて行くということにしてなんとか収容所を抜け出した。 誰も見えないところまで出たところで、二人は森へ逃げ込みひたすら走った。 途中男から服を奪い、洗濯物を盗んでハンナの服とした。
車を奪い、川を泳ぎ、なんとかトマシュの家の近くまで逃げてきた・・・
そんなトマシュらしき人がテレビに映っていたのだった。 しかし二人はどうして離れ離れになってしまったのか? 激動の時代を生きた二人の物語は複雑な展開があったのだった・・・

ドイツの女性映画監督・アンナ・ジャスティスの作品です。 彼女の作品はあまり見たことがなく、情報もあまりありません。 でもこれはたいへん面白かったです。
初監督作品でしょうか、しかし、物語は大変な激動期をうまく描かれていました。
ナチスアウシュビッツの過酷さはサラッと撮られていますが、それでも充分伝わってきます。 またユダヤ人との当時の他の民族の接し方、これもトマシュの母の行動が物語っています。
奇跡的に生き延びた二人ですが、ラストのシーンも非常に印象的でした。 32年後の二人の状況も端的ですが、よくわかる設定で、この監督の技量の高さがよくわかります。
死んでいたと思っていた人が生きていたことがわかった時、それが大切な人だったなら、どれだけ心が動かされるのか、そんな高ぶる心を女性ならではの細やかな心理描写が、大変よく表現されている秀作でした。
時代背景の描写もよくいい作品でした(G)


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今が幸せなハンナとダニエル

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しかし収容所の悲しい思い出がよみがえる


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それは過酷な体験だった


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トマシュとハンナは脱走する

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そんな過去を思い出したハンナに夫は

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彼女は過去を追いかけに行く

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