2008年作品、デヴィッド・コープ監督、リッキー・ジャーヴェイス主演。
ビンカス(リッキー・ジャーヴェイス)は歯科医。 ただちょっと困った性格だった。 彼は人間嫌いで、人と関わるのが大嫌いだったのだ。
一方携帯電話をかけながら歩いている男・フランク(グレッグ・キニア)。 妻と最近うまくいっていない。 とうとう離婚という流れになっていっている。
しかしこんなフランクに突然の不幸が。 バスに衝突され彼は死んでしまったのだった。
フランクは気が付くといつもと変わらない姿をしている。 ただ肉体は無いので、普通の人は通り抜けてしまう。 その中に自分に話しかけてくる者がいた。 彼らも死人だった。
歯科医のビンカスは健康診断で病院に行った。 相変わらずの性格で、問診票さえも書くのを嫌がっている、個人情報を言いたくないのだ。 散々皮肉を言ってようやく終わった。
そして外に出ると、何やら驚いて自分を見つめる男がいる。 「俺が見えるのか?」フランクだった。 フランクだけではない。 彷徨う死人たちが一斉にビンカスのところに集まってきた。
「自分が見えるのか?」 彼らは一人一人ビンカスに頼みごとがあるのだった。 そのことがこの世への未練となって成仏できない者たちなのだ。
普通の人間に見えない死人がなぜビンカスに見えるのか? 彼は病院に戻ると医者たちを問いただした。 実は麻酔をかけた時に7分間仮死状態になったのだった。彼は特異な体となってしまった。
ビンカスの後を大勢の死人が群がり、口々にこの世でやり残したことを代わりにやってほしいと懇願する。 死人でも元人間。 ビンカスはすべて拒否しようとするが、その中のフランクだけが面白い事を言う。
「俺の頼みだけ聞いてもらえれば他の奴らを追い払ってやる。」 彼の頼みは別れた妻の再婚を破談にすること。 妻は考古学者でグウェン(ティア・レオーニ)というが、彼女はなんとビンカスのマンションの上の階に住んでいて、毎日顔を合わしていたのだった。
人間嫌いのビンカスは彼女を気にも留めず無礼な態度をずっとしていた。 しかし彼女を改めてみた時ビンカスはある種特別な感情を抱くのだった。 フランクの頼みは聞くことにした。
さてビンカスは再婚を阻止できるのだろうか? そしてフランクは成仏できるのだろうか?・・・・
ちょっと長く書いてしまいましたが、結構気に入ったコメディでした。
この歳になると様々な人との今生の別れってありますよね。 そんな人たちは亡くなる時この世に未練は無いのかなぁ・・って考えさせられた作品でした。
未練が無い、私は精一杯生きた!と言える人は幸せでしょうが、私はそんな人はいないような気がします。 未練だったり、欲だったり、心配事だったり、人は何か引きずりながら生きてそして死んでいくのではないでしょうか?
後半ビンカスは劇的に変わります。 そこが素晴らしいのです。 そこから彼の人生は変ります。
最後はそう快感があるんですが、この世に未練を少しでも残さないで生きて行こうと思わされる作品でした。

人嫌いのビンカス




