2017年作品、坂下雄一郎監督、中西美帆主演。
屋久島の町役場職員・樋口(中西美帆)は、毎日同じことの繰り返しの単調な日々を過ごしていた。 しかし今日は、観光課の橘(小市慢太郎)が長年温めてきた企画が実現し、日本を代表するオーケストラ “東京ウィンドオーケストラ” を迎えることになっており、樋口がその担当だった。
初めは観光の予定はなかったが、一行はせっかく屋久島に来たんで、少しでもと言うんで観光を少しさせる樋口だった。
島をあげての歓迎ぶりに不審がるが、樋口の上司の田辺(松木大輔)が、こんな少人数で大丈夫なのか? と嫌味を言われると思わず 「楽しみにしていてください、感動させますから」 と楽団員たちは啖呵を切ってしまう。 田辺と不倫している樋口は、そんな彼の態度に苛立つ。
一行はコンサートのポスターに違和感を持つ。 さらに、島一番の大ホールに案内され、20年来の夢が叶ったと感激する橘に、楽団員はある間違いに気が付くのだった。
樋口の手違いで、一文字違いのアマチュア楽団 “東京ウインドオーケストラ” を呼んでしまったのだ。 真実を言い出せない一行は、こっそり逃げ出そうと荷物をまとめる。
同じころ、楽団員のリーダー・杉崎(星野恵亮)の名刺を見て違和感を覚えた樋口が恐る恐る検索すると、無名のアマチュア楽団を見つける。 ようやく彼らが偽物だと気づいた樋口が慌てて控室に行くと、す でにもぬけの殻となっていた。
バス停で一行を捕まえた樋口は事情を問いただすが、解決策は見つからない。 さらに田辺の依頼で職員の前で演奏することに。
しかし予想に反し、田辺は演奏に感動してしまう。 真実を話そうと田辺を呼び出すが、勘違いされて取り合ってもらえず、樋口はこのまま本物ということで通すと決断する。
樋口に説き伏せられた楽団員たちは本物のふりをして、このピンチを乗り越えられるのか?・・・
これは当初、時間が合わず泣く泣くスルーしそうになりましたが、結構好評で上映時間が増え、目出度く観れることに(^^)
今作は、作家主義とワークショップによる俳優発掘を標榜し、これまでに 「滝を見にいく」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12947380.html 「恋人たち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14017126.html を製作した “松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクト” の第3弾となるハート・ウォーミング・コメディですね。
主演は中西美帆、「喰女」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12063799.html で伊藤梅/朝比奈莉緒役をやっていて、「永遠の0」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10822773.html 「ソロモンの偽証」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12801021.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12928297.html にも出演していますが、今作が初主演ですね。
この作品で彼女は、明るい主人公でなく、笑わない主人公を演じる注文を受けたそうです。 実際樋口はほとんど笑わないんですよね。
そして観光課の橘役で小市慢太郎、脇をやらせるととても味が出る役者さんですが、近作は私が鑑賞したのは 「劇場霊」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13675577.html になってしまいます。 「惑う After the Rain」 は見逃してしまいました。
物語は、たった1文字『ウ』と『ゥ』を見間違えてオファーを出してしまった樋口の失敗から始まります。 しかしそんなカルチャースクールの楽団員も、どう考えても確信犯に見えるんですが、映画を見ていると、ただのお気楽な素人楽団員だと分かってきますからたちが悪い(^^)
さて少人数のこの 「東京ウインドオーケストラ」 は実際演奏できるのか? それともキャンセルするのか? まあドタバタ劇なんですが、これが屋久島という場所もなかなかいい舞台背景になっていて、ちょっとのどかな笑いに結びついていました。
主演の中西美帆が、なかなかいいですね。 笑わない演技が、ちょっと見 “山本彩” に感じが似ていて、ずっと堪能できましたが(^^)
あれこれ言われるが二人は不倫関係
楽団員を迎えるが、なぜか少ない人数
そして歓迎を受け戸惑う楽団員
このコンサートを企画した橘は、夢がかなうという事でご満悦
しかし彼らは偽物だった!