anttiorbの映画、映像の世界

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ライアの祈り

2015年作品、黒川浩行監督、鈴木杏樹宇梶剛士出演。

バツイチの35歳、大森桃子(鈴木杏樹)は、青森県八戸のメガネ販売店で店長として働いている。それまで住んでいた実家のある弘前から転勤してきたばかりだが、既に店の後輩の宮内桜(武田梨奈)たちから頼られ慕われる存在となっていた。 だが彼女は離婚によって心に深い傷を負い、人生を前に進ませる勇気が持てずにいた。
そんな時、前夫から電話がかかってきた。 圭祐(宅間孝行)は今度結婚することになり、片づけをしていたら、昔の桃子の持ち物が出て来たと言うのだ。 もう思い入れもないので、処分してほしいと言う桃子だが、圭祐はできちゃった婚だと言う。
ある日、桜に付き合って街コン風地酒パーティに参加する。「人数合わせ要員でバツイチ」とおどけて名乗った 桃子の前 に遅れて現れたのは、40代後半の無精髭の男で皆からクマゴロウと呼ばれている佐久間五朗(宇梶剛士)だった。
桃子は、彼を見た途端、遠い記憶が一瞬蘇ったような感じに襲われ、驚き戸惑う。 子供の頃から時々見ていた、不思議な夢の中の太古の森を通る風の感触を感じたのだ。 クマゴロウは遺跡発掘一筋の考古学研究員で、一万年以上の間、平和に続いたという縄文時代に畏敬の念を抱いていた。
その日、彼女は苦手な日本酒を飲み過ぎ、クマゴロウに背負われて家に帰った。 なんと彼女の家の近くにクマゴロウは住んでいた。
次の日、桜は桃子に対し、私はけっして言いませんからと謎の言葉を言う。 ?いったい昨日何があったのか? 桃子は昨日の記憶がなかった。
そこにクマゴロウが店に現れた。 昨日のあなたの言ったことはもっともだ、その時の約束は果たしたいと言うのだ。
冷静に昨日のことを思い出そうとする桃子、そして彼女はクマゴロウに対して、言いたいことを言い、八戸を案内しろと言ったのだった。
数日後、クマゴロウは桃子に陸奥湊市場や蕪島神社など八戸の街を案内。 桃子はクマゴロウに、子供の頃から見ている太古の森の夢のことや彼と出会った瞬間に感じた風の感触を語る。 すると彼は職場である是川縄文館に桃子を連れて行き、八戸から出土した国宝の合掌土偶を見せる。 そして彼女に縄文時代の代弁者として何か表現してみることを勧めるのだった。
2人の出会いのきっかけだった…

青森県全館で先行公開したこの作品、あまり前宣伝が無かったので、全くのノーマークの作品でした。 鈴井杏樹と宇梶剛士の組み合わせ、年齢設定より各々10歳くらい歳上ではと思い、その点の違和感は正直ありましたが、意外にこれが新鮮に見えましたね。
冒頭は、いきなりベトナムでのクマゴロウの姿なので、ちょっとびっくり。
まあそれはさておき、縄文文化のことを自分がいかに知らないかということを痛感しましたね。
実は、自宅から車でちょっと行くと、水子貝塚公園という、縄文時代の遺跡を保存している公園があるんですね。 子供が小さいころは、めいっぱい子供が走りまくれる芝生があるところなので、月1くらいで行っていました。そして展示館では、縄文時代の話が聞け、けっこう行くたびに入っていました。
そんなことをすっかり忘れ、縄文時代が1万年も続いた、稀な文化だったこと、劇中クマゴロウさんの説明でハッとしました。
なぜ1万年も続いたのか?もうそれは想像するしかない事なのですが、いかに平和な時代だったのか? 文字の無い時代、どうやって子孫に伝えて行ったのか?
そんなことを立ち止まって考えてみると、凄い時代だったんだなあと改めて考えさせられる作品でした。
もちろん主人公の二人の人間ドラマが中心なんですが、科学の発展よりも人間としてどうシンプルに生きていくのか? 何が一番幸せなのか?
鈴木杏樹が主役の作品も久しぶりでしたが、円熟味の中に可愛さがあり、そしてバツイチの女性の苦悩、また対極にいる不器用な学者一筋の男、温かい作品であるとともに、たまには立ち止まって太古の昔に思いを馳せるのもいいそんなぬくもりのある作品でした。

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日本酒飲み過ぎた桃子

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いったい昨日私は?

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八戸を案内される桃子

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発掘も手伝い始める

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そしてクマゴロウは彼女の実家に

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