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誰がために憲法はある

2019年作品、井上淳一監督、渡辺美佐子 高田敏江 寺田路恵 大原ますみ出演。

女優・渡辺美佐子は、初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くしたことを戦後35年目の1980年になって知った。 そんななか、渡辺が中心メンバーとなり、鎮魂の想いを込めてベテラン女優たちと共に33年もの間、原爆朗読劇を続け、全国各地を回ってきた。
渡辺をはじめ、それぞれの女優たちがこの活動を通じて抱くそれぞれの思いを語る。 また、芸人・松元ヒロが20年以上、日本国憲法の大切さを伝えるためユーモラスに演じ続けている一人語り 『憲法くん』 を、渡辺美佐子が新たに演じる。

これは凄い作品でした。
監督は井上淳一、初めて作品を見る監督ですが、見ごたえがあり、意義のある作品を撮ったと思います。
主演は渡辺美佐子、ベテラン女優さんで、昔はよく出演ドラマをみましたね。 「続・深夜食堂」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14563484.html でお姿を見れました。

この作品は、冒頭 「憲法くん」 というキャラで、彼女がその人格を持って、見ている人に語りかけます。
日本国憲法を語るというのは今は勇気がいることかもしれません。 「守ろう!」 という声を上げれば、左翼だと見られる今日、じゃあ日本国憲法の前文をいえる人は少ないんではないでしょうか?

今作では数回、この前文が読み上げられますが、理想を掲げている中で、ではただの理想なのか? この崇高な精神にいかなる思いがこめられているのかを、フラットに “憲法くん” が解説、そして意見を述べられます。
そして、美佐子さんが中心となり、女優さんたちが、原爆朗読劇を33年もの間行ってきた事実が紹介されます。
なぜ女優たちがこの地道な活動を続けているのか?

美佐子さんのこの広島の原爆が身近になったエピソードを語るシーンは、会場から鼻をすする音が聞えてきます。 これは実際に彼女の語りで見ていただきたいですね。
時代は平成から令和に変わりました。 平成の最後の日に、昭和の人類の歴史上最悪の原子爆弾の情景を語り続けていくこの作品を見れたことは、意義のあることだったと思います。

忘れていいことと、忘れちゃいけない事がある、女優さん達は口々に語っていました。 やり方はいろいろありますが、もう二度と戦争の悲劇を味わわせたくない、子孫に。 
核を持とうとする国は後を絶ちませんが、いったん使ってしまったら取り返しが付かないことになる、それは発電もそう思いますが。

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彼女の子供のころの思い出を語る

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それはある男のこの思い出だった

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そして女優さんたちの朗読劇

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女優さん達がすべてを構成して仕切る

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それは原爆の朗読

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そして今年が最後だと明かされる

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