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ラストエンペラー/オリジナル全長版

1987年作品、ベルナルド・ベルトルッチ監督、ジョン・ローン ジョアン・チェン ピーター・オトゥール イン・ルオ・チェン出演。

1950年、ハルビン駅では次々と中国人戦犯たちが送りこまれていった。 800人を越えるその人の中には “清朝最後の皇帝” :愛新覚羅溥儀ジョン・ローン)の顔もあった。 彼は人目を避けてトイレに入り手首を切った。 様ざまな過去が彼の脳裏をよぎった。
まだ何もわからぬ幼少(リチャード・ヴゥ)の頃、光緒帝は帰らぬ人となり、実質的支配者だった西太后(リサ・ルー)は、溥儀を紫禁城に迎え、皇帝にと考える。 紫禁城での生活は、外へ出ることは禁じられ、心の支えは乳母(イエード・ゴー)だけだった。
7年後、溥儀(タイジャ・ツゥウ)は、中国全土に革命の嵐が吹き荒れる中で、孤独だった。 そんな頃、家庭教師としてやって来たレジナルド・ジョンストン(ピーター・オ トゥール)から数学やテニスなど西洋の文化を学ぶ。 やがて15歳になった溥儀(ワン・タオ)は17歳の婉容(ジョアン・チェン)を皇后に、12歳の文繍を第二の妃に迎えた。
1924年中華民国の軍人である馮玉祥のクーデターで、溥儀は紫禁城を追われ、ジョンストンが、婉容、文繍(ウー・ジュン・メイ)、女官らと共に英国大使館が保護することになる。
一方、戦犯管理所センターでは、罪の告白が続く。 溥儀は、日本の甘粕大尉(坂本龍一)との日々を思い出していた。 天津の租界地でプレイボーイの生活を楽しんでいるころ、蒋介石率いる国民党が上海を攻略。 溥儀の身を案じた甘粕は、日本公使館へ逃亡するように指示する。 民主主義に目覚めた文繍は離婚を申し出、溥儀の元を去り、かわりに日本のスパイで あり婉容の従姉のイースタン・ジュエル(マギー・ハン)がやってくるのだった…

私が見直したのはオリジナル全長版、219分でした。 さすがに一気には見るのがしんどいので、ドラマ版という感覚で数回に分けて視聴しました。 まあ溥儀の自伝ドラマなので、そういう見方も悪くはありません。
監督はベルナルド・ベルトルッチ、「孤独な天使たち」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10967248.html が最新作ですが、もう数年公開がないですね。
主演の溥儀役で成人後はジョン・ローン、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5594584.html はよかったです。
物語は幼くして滅びゆく清国の皇帝となった宣統帝のお話ですね。 私もこのころの東日本史に興味があるので、溥儀について当時映画公開の時に調べましたが、映画で語られている通り、実体がもう無い清国の、それも紫禁城だけの皇帝、お飾りでお人形状態の自由の無い生活という事はわかりました。 しかしそんな “ラストエンペラー” にも、西洋人の家庭教師が付き、ヨーロッパ化した風習を身に着けていたんですね。
ただ、外の世界、今の大陸の話は彼にはなかなか伝え辛い事だったんでしょうね。
しかし彼の生活が、日本軍の起こした戦争で一変するんですね。 満州人発祥の地に 「満州国」 を立ち上げるんです。 そしてその初代皇帝に溥儀をつけるんです。彼は再び本当の皇帝に返り咲いた、心躍る瞬間でしたが、すぐにその国の実態、立場に気が付かされます。
そこから、終戦、撤退は駆け足で描かれていて、戦後の捕虜の立場の溥儀、いろんな取り調べを受ける姿と交互していく映画の展開は、昔見た感覚を思い出しました。
歴史に振り回された、数奇な運命を送った最後の清国皇帝、可哀そうと取るのか、それも歴史の一部と取るのか、多くの民族を内包した中国の歴史の一つですね。

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幼くして最後の皇帝に

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そして限られた空間で

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后を取り

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皇帝らしく多妻

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そして満州国の皇帝に

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