anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

ダイ・ビューティフル

2016年作品、ジュン・ロブレス・ラナ監督、パオロ・バレステロス主演。

ミスコン女王に見事上り詰めたトリシャ(パオロ・バレステロス)、しかし彼女はその直後、くも膜下出血を起こし急死してしまう。
トリシャの波乱万丈の人生が終わった瞬間であるのだったが、今までの彼女は一体どんな人生を歩んできたのだろうか?
本名をパトリックというトリシャは、厳格な父(ジョエル・トーレ)と姉(グラディス・レイエス)と3人暮らしだった。 しかし彼は小さいころから、綺麗なものに憧れ、女性の格好をし、いろんな民族衣装を着て遊ぶ、女の子の心を持った少年だった。
それを見ると父はすぐに怒って辞めさせていた。 しかし思春期に入り、パトリックは同じ学校のバスケットボール部の少年に憧れるようになっていく。 
そんなある日、少年から一緒に食事に行こうと誘われパトリックは喜んでついて行く。 親友で同じトランスジェンダーバーブス(クリスチャン・バブレス)から励まされ行くのだったが、その後彼は学校を2日休んでしまう。
やっと来たパトリックにバーブスは事情を聴くが、彼は集団レ イプを受け、怪我をしたのだった。 そして傷跡から感染症にかかり入院をすることになってしまう。 もちろん病室に父と姉が駆けつけ、医師から事情を聞かされる。 父の怒りは激しかったし、同じトランスジェンダー仲間とは2度と会わせないし、外出も禁止される。
しかしこのままではいたたまれなかったパトリックは、とうとう父と姉に決別をし、「私の名前はトリシャ。 エチャベリーナ・トリシャ!」 と宣言し実家と縁を切るのだった。
それからのトリシャとなった彼女は、親友バーブスと一緒の生活を始める。
そしてひょんなことから彼女は親の無い女の子を養子にすることになってしまう。 養子縁組の手続きは、もともと戸籍の無い子だったので必要はなく、バーブスと3人での生活が始まるのだった。 男の体のトリシャだったが、愛情いっぱいの母親としてシャーリー・メイと名付けた娘を育てる。 いつしかメイは母親思いの可愛い少女に育っていくのだった。
そんなトリシャにも新しい出会いができるのだった…

トランスジェンダーを扱った作品ですが、また変わった切り口の作品でした。
監督はジュン・ロブレス・ラナ、私は初鑑賞のフィリピンの代表的な監督ですね。 そして主演はトリシャ役でパオロ・バレステロス、少年期はちょっとなよっとした感じでしたが、見事なくらいに変身していくのが凄いですね。
彼は本国では有名なものまねメイクを売りにしている男性、そんな彼の特技をうまく使った作品という事ですね。
物語は、小さいころからトランスジェンダーである自分に、なかなか理解を示してくれない父と、姉との生活に窮屈にどんどんなっていくトリシャ、しかし彼はどんどん性の欲求も強くなっていき、ある日決定的な事件が起こってしまうんですね。
彼の恋愛対象はイケメンの男子、しかしあちらはただの遊び道具としてしか思っていない。 日本なら興味がなければ、気持ち悪いで終わりかもしれませんが、あちらではそうはならないという事でしょうか?
その事件が引き金になり、彼は家を飛び出して、本来彼が行くべき世界に踏み出していきます。
この作品、トリシャの養女の女の子が実に可愛いんですね。 本当の母と娘のようで、トリシャニオンを感じているんでしょう、彼女の心情を実によく理解してくれます。でも、そんな彼女も成長すると思春期を迎え、だんだんトリシャから卒業して行こうとする、そんなドラマも入ってきます。
これはなかなかの人間ドラマ、葬式がハイライトになる面白い作品でした。

イメージ 1
ミスコンに出場するトリシャ

イメージ 2
そして念願の女王に、しかし

イメージ 3
家を飛び出したトリシャ

イメージ 4
そして少女を養女にする

イメージ 5
若い恋人も出来るが

イメージ 6
メイクはずっと一緒のバーブスがやってくれる

イメージ 7