小学生のノリミチ(山崎裕太)は、夏休みの登校日のため学校へ向かった。 ノリミチの同級生のナズナ(奥菜恵)は、家を出る時に母親から一通の手紙を三浦先生(麻木久仁子)に渡すよう頼まれる。 それは、両親の離婚のために、夏休みが明けたら転校するという内容の手紙だった。
ユウスケはノリミチに50メートルの勝負をもちかけた。 始めはリードしていたノリミチだったが、ターンの時にプールのヘリにかかとを思い切り打ちつけ てしまう。 先にゴールしたユウスケがプールから顔を出すと、ナズナがホースの水を浴びせて、今夜の花火大 会に一緒に行こうと誘うのだった。
ノリミチとユウスケが教室に戻ると、ジュンイチ(小橋賢児)たちが花火は、横から見ると丸いか平べったいかで言い争っていた。 ノリミチたちも話に加わるが一向に結論が出ず、今夜灯台のところから確認しようということになった。 ノリミチの足のケガに気づいたユウスケは、自分の家の病院で見てもらえと勧める。
ノリミチがユウスケの家に行くと、大きなトランクを抱えたナズナが、ユウスケが戻るのを待っていた。 ユウスケは来ないと伝えたノリミチは、ナズナに 「君を誘ったら裏切らなかった?」 と尋ねられ、「俺は裏切らないよ」 と答える。
この作品は元はテレビドラマで 「 if もしも」 というもので、その中の第16話なんですね。 この前番組が当時レギュラー放送されていた 「世にも奇妙な物語」 で、今作もちょっと不思議なテイストが醸し出されている、ある分岐点を境に二つの物語が分岐するお話になっているという事です。
そして監督が若き日の岩井俊二なんですね。 映画としてドラマにちょっと肉付けをして公開されましたが、それでも短編の部類に入るでしょうか?
物語はある分岐点をやり直すことによってどう変化していくかを、その分岐点にさかのぼって構成するシリーズの中の1話なんですね。 それがプールでの競争になっています。
そして、今作はこの夏アニメとなって登場するので、前もって実写ドラマ版を見ておきました。 どこがどう膨らんでいるか? 岩井作品はアニメーションでもなかなか秀作が多いので、原作の岩井監督の雰囲気がどう生かされているのかちょっと楽しみにしていますが。