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リトル・ボーイ 小さなボクと戦争

2014年作品、アレハンドロ・モンテベルデ監督、ジェイコブ・サルヴァーティ、エミリー・ワトソンケイリー=ヒロユキ・タガワマイケル・ラパポート出演。

第二次世界大戦下のアメリカ。 西海岸の小さな町に住む8歳の少年ペッパー(ジェイコブ・サルヴァーティ)は、背が低いため、差別的な言い方をされていた。 しかし、そういう言い方を止めさせられた悪友たちは、彼のことを “リトル・ボーイ” と言い換え、いつも苛められ、からかわれていた。
そんな彼にとって、父のジェイムズ・バズビー(マイケル・ラパポート)と空想にふけって遊んだり、父が好きな奇術の映画を一緒に見に行くことが何よりの楽しみであり、父は心の支えだった。 父は二人のことを “相棒” と言っていた。 
二人が嵌っていたのは奇術師のベン・イーグル (ベン・チャップリン)だった。 彼の雑誌も出ていて、新刊が出ると真っ先に買いに行った。 そして上映会に時々実演で出演することさえあった。
ペッパーには兄がいた。 ロンドン・バズビー (デヴィッド・ヘンリー)といい、真珠湾を攻撃されてからアメリカの戦争参加の機運は民衆の間で高まっており、彼も戦地に行って国のため貢献しようという思いに燃えていた。 しかし徴兵される予定だったロンドンが検査に引っかかってしまう。 なんと偏平足で落とされてしまったのだった。 そして、代わりに父が戦地に向かうことになってしまう。
この漁村には、ひとりの日系人が町から少し離れたところに住んでいた。 敵国となり、日系人は隔離され、敵国人とされていたが、アメリカ合衆国に忠誠を誓えば釈放され、通常の生活もできるのだった。 しかし民衆はそうではなかった。 激しい差別と、中傷、そして時には暴力を受けることさえあった。
彼の名前はハシモト (ケイリー=ヒロユキ・タガワ)というのだが、誰しも彼のことは“ジャップ” と罵り、露骨な嫌がらせは茶飯事だった。 しかし、オリバー司祭( トム・ウィルキンソン )だけは彼の相談相手で、チェスの相手だった。
父を呼び戻したい一心でペッパーが司祭に助けを求めたところ、町のはずれ者である日本人・ハシモトとの交流など課題を連ねたリストを渡される。 司祭によれば、それらの課題をすべて達成すれば願いが叶うらしい。 ペッパーの、父親奪還大作戦がスタートする・・・

アレハンドロ・モンテヴェルデ監督の新作が公開され、日本では初公開される監督のようです。 2006年に 「Bella」 という作品で評価を受けたという事で、さらなる新作も撮っているような。
主演の少年にジェイコブ・サルヴァーティ、確かに年齢からしても小柄な少年ですが、バカにされるほどではない感じはしましたが(^^) そして母のエマにエミリー・ワトソン。 彼女は 「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14194226.html で、母親役をやっていましたが、今回も同じ母親役ですが温かい感じを出していましたね。
この作品、なかなか感動する作品ではあるんですが、日本人の私にとっては、ちょっと胸が痛い作品でもありました。 気が付く人は気が付くと思うんですが、まずこの題名ですね。“リトル・ボーイ” というのは、やはり辛い名前です。 メキシコ人監督ならではの、フラットな思いからの作品だとも思いますが、特に後半の終戦間近のところが何とも。
ただ、日系人の辛さや、ハシモトの今までの人生、そして父を失いたくないペッパーの一途な気持ちなど、随所に心が熱くなるシーンは多いですし、“第3国” 出身の監督ならで はのバランスは取っている感じはしますね。
物語はこの後、ペッパーは、必死に神父との “約束” を果たそうとしていきますし、途中でベン・イーグルにさらに大きな影響を受けます。 
ハシモト役のケイリー=ヒロユキ・タガワが好演でしたね。 多くの作品で日本人役や、アジア人系の役が多いですが、今作は一番良かったですね。
ちょっと複雑な思いをする作品かもしれませんが、見ておいて損は無い作品でしたが。

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戦争に行くことになってしまった父

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母のエマ

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父が帰ってこれる方法を尋ねるペッパー

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ハシモトに対する事項が多くあった

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そしてハシモトを訪ねる

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