anttiorbの映画、映像の世界

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アクトレス~女たちの舞台~

2014年作品、オリヴィエ・アサヤス監督、ジュリエット・ビノシュ主演。

スター街道を歩んできた女優マリア(ジュリエット・ビノシュ)は、マネージャーのヴァレンティーヌ(クリステン・スチュワート)と二人三脚で日々仕事に取り組んでいた。
彼女の出世作で、18歳の時に出演した 「マローヤのヘビ」 の劇作家、ヴィルヘルム・メルヒオールに代わり、彼の功績を称える賞を受け取るためチューリッヒに向かっている二人。
矢継ぎ早に二人の携帯に電話がかかってくるが、彼女は離婚問題も抱えている。ヴァルは、仕事を受けながら、今回のスピーチの原稿までチェックする。 マリアの電話には、離婚問題の電話が入り、彼女は移動中の列車の個室を出ていると、緊急の電話をヴァルが受ける。
それはヴィルヘルムの急死だった。 ここ数年公の場に姿を見せていないヴィルヘルムは、前もって賞を受け取ることを拒否した上で、マリアに彼女を世に送り出した舞台 「マローヤのヘビ」 の題名の由来でもある景勝地、シルス・マリアまで来るよう指示してきたのだ。 その矢先の死だった。
受賞会場には、この作品の共演者も呼ばれていたが、そこに演出家のクラウス (ラース・アイディンガー)が来ていた。 彼は 「マローヤのヘビ」 のリメイクをしようとしていて、彼女にある役をやってほしいとオファーをしに来たのだった。
この作品は、40歳のヘレナと18歳のシグリッドの物語だが、むかしシグリッド役をやっていたマリアに、今回はヘレナ役をやってくれという物だった。
しかしそれは彼女にとっては大きな衝撃であるとともに、プライドを傷つけられるものでもあった。
そしてシグリッド役には新進若手女優のジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)が起用されるというのだった。
そしてマリヤはオファーを受け、亡きヴィルヘルムの家で、役作りの専念しにヴァルと一緒に滞在しに行くのだった…

「マローヤのヘビ」 という舞台を巡っての、ちょっと陰りの見えてきた女優のお話、ビノシュ主演作という事で、観てきました。
今回は、彼女自身の今の女優としての姿とだいぶオーバーラップしているようで、なかなか台詞のやり取りが面白いんですよね。 社会派作品の 「おやすみなさいを言いたくて」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13341693.html もそうですが、「GODZILLA ゴジラ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11943075.html のような話題作にも出演。 しっかりした重厚な演技ができる中、結構腰が軽くなんでもこなし切ってしまう姿が、この作品中のマリアとダブっている気がするのは私だけなんでしょうか?
劇中マリヤは、個人マネージャーのヴァレンティーナ(通称ヴァル)に、すべての面を見せています。 娘のような、妹のような、さらにパートナーのような、その接し方は彼女にとっては楽なんでしょうが、実はヴァルにとってはだんだん重荷になっていくんですね。
女優として、曲がり角に来て、精神的にも不安定になってきているマリヤに、ヴァルも自分の人生を考える時を感じているのかもしれませんね。
作中、この舞台劇は写らないんですが、マリヤとヴァルのセリフ合わせを見ているだけで、充分という感じを抱かせてくれる、クロエ・グレース・モレッツ演じるジョアンは、自由奔放の、未来の大女優として、マリヤを超えていく存在なんですね。
そしてジョアンはもうマリヤなんて眼中にないこと、そして踏み台にされていくことを自覚するシーンが、なんともリアルでした。
ヴァル役のクリステン・スチュワートは出演作も多く、演技のしっかりできる女優ですが、最近の作品では 「アリスのままで」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13207391.html では重要な次女役を演じていました。子役の時代からやっているので、しっかり鍛えられていて、もう主役の座まですぐそこな感じがしますね。

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ヘレナ役を受けたマリヤはヴァルと

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マネージャーとして有能なヴァル

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時には普通の話も

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そして共演者のジョアン・彼女が昔の自分のやった役を

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“マローヤのヘビ”は見れるのか?

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