2007年作品、ファラー・カーン監督、シャー・ルク・カーン主演。
ここボリウッドの映画撮影の巨大なセット村。 いろんなセットが組まれており、様々な映画が撮られている。
時は今から30年前、1977年のボンベイ、エキストラ俳優の父と母のもとに生まれた青年オーム(シャー・ルク・カーン)は、スターを夢見る脇役俳優。 父は亡くなり、今は母と二人暮らし。
親友パップー(シュレーヤス・タラプデー)といつもつるんでいるが、なかなか良い役は回ってこない。 家に帰っても母にはいつかは大スターというが、その道は遠そうだ。 パップーだけが信じている。
彼には“彼女”がいる。 それは大きな映画の看板に描かれている。 その看板にいつも愛を語っている。 彼女は女優シャンティ(ディーピカー・パードゥコーン)、今売出し中のスターだ。 監督が彼女のスケジュールに合わせるくらいの存在になっている。
パップーは名前を変えればスターになれるというが、母のラジェ(キラン・ケール)は名前を変えることに大反対だった。 親として当たり前だ。
「ドリーミーガール」 の試写会に潜り込んだ二人、指に巻いた母のおまじないの赤い糸に、オームはシャンティのドレスが偶然引っかかった。 彼女がこちらを見てくれた。 それだけで幸せだったオームだった。
ある日彼女の作品に脇役で出たオームは、幸せを感じていた。 しかしこ の撮影にアクシデントが起きた。 主役のヒロインの彼女が火に包まれるシーン、相手役の俳優が助けに行くという設定だったが、火が強く尻込みしてしまった。 どんどん強くなる火の中に飛び込んだのはオームだった。 危機一髪、彼女を救い出したオームだが、背中にやけどを負ってしまった。 しかし彼女に顔を覚えられ、なんとシャンティは彼が出ている3流映画の撮影を見に来てくれた。
一気に食事に誘うことができたオームは、しばらくは至福の時を過ごせたのだった。
しかし彼女には大きな秘密があったのだ。 それは彼女が大物プロデューサーと進めている作品のセットの控室で偶然聞いてしまった。 なんと彼はプロデューサーのムケーシュ(アルジュン・ラームパール)と結婚し、妊娠してい るのだった。 ムケーシュはその場では妊娠に動揺するが、その場を取り繕い後日話すことに言いくるめた。
大きなショックを受け塞ぎこむオーム。 しかしムケーシュは、そんな彼女を疎ましく思い始めていた。 野心家の彼は、なんと今製作中の映画のセットに彼女を呼び出し、彼女ごとセットを燃やすことにした。 駆けつけたオームは、なんとかそのセットから彼女を救おうとするが、ムケーシュのボディガードに邪魔をされ、とうとうセットは大爆発を起こしてしまう。 吹っ飛ばされたオームはそこに通りがかった車に轢かれ、そして亡くなってしまった。 轢いた車は映画スター、カプール夫妻の車だった。しかしその病院で、カプールの妻(キラン・ケール)が男児を出産していた……
製作は2007年ですが、昨年日本公開されました。 さすがインド映画169分あるんですが、時折入る軽快なダンスが、気分転換となり、時間の進み方が早いですね。
シャー・ルク・カーンはこの後最近のインドSF作品にも出ているようなので、是非そちらも見たいです。 濃い顔ですが、インド人らしく嵌っていました。
またヒロイン役のディーピカー・パードゥコーンはこの時新人で大抜擢だったようですね。 モデル出身だけあって、カメラ映りは最高で、世界に通じる美人女優ですね。また、題名通り生まれ変わりの作品で、二人は二役なんですが、二つの性格の使い分けの演じ方が見どころです。
映画の中の映画的な作品でもあり、ちょっとボリウッドの内情的なこともあるのかもしれませんし、インド映画に詳しい人にはうちわ受けするだろうシーンがあるようにも感じました。 私はそこまでは反応できませんでした(^^)
でも何回観ても面白いインドの最近の作品、長くてもちゃんと筋は通っていて、あまり無駄が無いのでこれは仕方がないでしょう。 また観たいですね。
母の着けた糸が彼女に絡まる
彼女に顔を覚えられた
彼女と出会えて有頂天に
30年後、二人は
また出会う
そして