anttiorbの映画、映像の世界

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青天の霹靂

2014年作品、劇団ひとり監督、大泉洋柴咲コウ劇団ひとり出演。
 
バーのカウンターで、カードマジックを披露している男・轟晴夫(大泉洋)。 手際は結構いいのだが、カウンターのお客は居眠りをしていた。 彼は自分の人生にうんざりしていた。
家に帰って、レトルトのライスと、レトルトのカレー、テレビではオカマのマジシャンが出ている。 次の日の夜、そいつがマジックバーに飲みに来ていた。 テレビ局のプロデューサーと一緒にである。 なんのことはない、そいつは自分の後輩だった。 たまたまおネイのキャラで売れただけの男だが、テレビで売れ始めてきたことを鼻にかけ、ぞんざいな態度をとってきた。
この世界は売れた者勝ち、プロデューサーにもなかなか気の利 いたことが言えず、チャンスを逃してしまった。
その夜スーパーで安売りになっていたホットドッグを公園で食べようとしたら、携帯が鳴った。 警察からの電話だった。 父が死んだという知らせだった。
次の日遺骨を取りに行くと、担当の警官は言った。 「無縁仏にならなくてよかった」
父はホームレスになっていた。 高校を出て以来会っていない父、住んでいた橋の下のビニールハウス、遺品を見ていたら古ぼけた缶があった。 その中に自分の赤ん坊の頃の父との写真があった。
晴夫はなんでこんなもん大事に持っていたんだと思ったが、だんだん泣けてきた。 なんで俺なんか生んだんだ?! そんな気持ちになってきた。 父からは、幼い頃母に捨てられたと聞いていた。
その時、稲妻が走り、晴夫の体を直撃した。 “青天の霹靂”だ。 
気がつくと子供たちが 「死んでいるのか?」 と突っついてきた。 起き上がると子供たちは逃げていった。
突っついてきた新聞紙を丸めたものを見ると、その日付は昭和48年だった。 晴夫は、タイムスリップしてしまったのだった。 それも自分の生まれる半年前だった。
慌てて、街に出ると全てが古かった。 まず行ったのは警察だったが、そこで彼は思った。 戻る方法もわからない、でもいっそここで生きていこうか、戻っても仕方がない。 そう思っていたところに、晴夫のコインのマジックを見て一人の少年が声をかけてきた。
「おじさん、マジシャン?どこに出ているの?」 晴夫はその少年に上がれる舞台に案内してもらった。 雷門ホー ル支配人(風間杜夫)にスプーンまげを見せると、早速今日から舞台に上がれと言われる。 しゃべりが下手な、晴夫にアシスタントをつけてくれた。
花村悦子(柴咲コウ)という綺麗な女性だった。 そしてスプーンまげがウケたのだった。 この世界でやれそうになる気持ちになった晴夫、しかしこの女性はなんと母であり、その付き合っていた男が晴夫の父・轟正太郎 (劇団ひとり)ということは、彼はまだ知らなかった・・・
 
爆笑問題太田光が絶賛していたこの作品、原作の劇団ひとりが自ら監督をしています。 そして肝のキャラの正太郎役で出ています。
タイムスリップものですから、見やすい作品であり、自分の生まれる前に飛ばされるのは、やはりそれなりの理由がある、そんなテーマを持った作品でした。
父・正太郎は息子に、母さんは自分に愛想を尽かし別の男のところに行って出て行った、そう言っていました。 だから、いかに可愛い若い頃の母であっても、それを知ってから晴夫の態度は微妙なものでした。
予告編である程度ネタバレになっていますから、予想通りの展開に見えると思います。 それでも、これはいい物語でした。  というのも、誰しも自分は何のために生まれてきたのか? 人生で何回かふと思うからですね。ましてや40前にして、晴夫は行き詰っていましたからね。
大泉洋はこういう役はもうお手の物、柴咲コウも薄幸の役ははまりますね。 なかなか劇団ひとりはいい原作を書くじゃないですか。 欲を言えばもう少し尺を伸ばして、なにか入れても良かったように思えましたが、初監督作品としては良かったと思います。
次に撮る時があったら、さらに上を目指して頑張って欲しいと思える作品でした。
 
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過去に来てしまった!
 
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マジシャンとして雷門ホールの上がる晴夫、そしてアシスタントにある女性が
 
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悦子の具合が悪くなり、代わりにある男が
 
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その男は、若き日の父だった、そして・・・
 
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どうしようもない父に
 
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