anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

父の秘密

2012年作品、ミシェル・フランコ監督、テッサ・イア、エルナン・メンドーサ出演。
 
自動車の修理工場、やっと直ってきた車の説明を受けている男・ロベルト(ヘルナン・メンドーサ)。  エンジンをかけ、交差点で止まった時、いきなり彼は車を乗り捨て歩いて行ってしまった。
ロベルトと娘のアレハンドラ(テッサ・イア)は新しい土地でやり直すため、高級住宅街プエルト・ヴァラルタからメキシコシティへ引っ越してきた。 キッチンに新しい調理道具を出しながら、彼は泣き始めてしまった。 
ロベルトはコック、腕のいいコックのようだ。 すぐに新しい店の調理場を任されることになった。 しかし二人いる調理助手たちの腕は未熟だった。 そしてやる気も感じられない。 そして彼はやる気をなくし辞めてしまうのだった。
アレハンドラは、転校してすぐに友達ができた。 高級住宅街から来たと言うと、興味を持って周りが寄ってきた感じだ。
この学校ではすぐに薬物検査を行うのだ。 これは全生徒に実施している。 彼女は3日前に、マリファナを吸っていたので陽性反応が出てしまった。 すぐに学校に呼ばれるロベルト。 アレハンドラはもう吸わないと父に誓うのだった。
仲良くなった同級生たちと遊びに出かけたアレハンドラは、泊りがけで騒ぎ始めた。 アルコールもマリファナもあった。 マリファナは吸わなかったアレハンドラだったが、アルコールを飲んで酔ってしまった。 そして勢いでクラスの人気者ホセ(ゴンザロ・ヴェガ)と一夜限りの関係を持つ。  
しかしホセがその行為の一部始終を録画していたのだった。 翌日その画像はもう配信されており、それはクラスメートの不審な電話で知ったアレハンドラだった。 そしてそれを境にクラス中の彼女を見る目が変わっていった・・・
 
あまり見ないメキシコ作品ですが、ドラマ部分に一切BGMが入らないのは、集中しちゃいます。 また長回しが多いですね。 それもまた惹きつけられる要素になっていました。
邦題の 「父の秘密」 というのはいくつかに掛けられています。 内容的には娘のアレが父に隠していることが多いのですが、それが彼女の首をどんどん締めることになっていきます。 
早くクラスに溶け込みたい彼女でしたが、ホセの軽はずみな行動がすべて彼女の生活を暗転させていく様は、結構リアルで、エグイ物でした。  日本のいじめシーンよりも結構生々しかったです。 それが最後のロベルトの行動に行きつくのでしたが、ここもリアルで却って恐ろしかったですね。
ラストもぶつっという感じで終わり、救いのない虚脱感漂うエンディングでした。
しかしほんの少し描かれるロベルトの妻、アレの母の死からすべて悲劇のドラマが始まっているんですね。
ある意味衝撃作品で、引き込まれる物語ですが、正直後味が悪い作品でした。(G)



イメージ 1
腕のいいコックだった父

イメージ 2
父と娘

イメージ 3
ちょっとしたことで彼と寝てしまう

イメージ 4
そして彼女は学校中から

イメージ 5
孤立していくアレ

イメージ 6