ある夜、社殿の中で九人の若侍が、難しい顔をして密談をしている。 上役の汚職を暴こうとしているらしい。 若侍の一人、井坂伊織(松山ケンイチ)によれば、汚職の張本人である次席家老黒藤(小林稔侍)と国許用人竹林(風間杜夫)の粛清の意見書を、伯父である城代家老睦田(藤田まこと)に差し出したが、受け入れてもらえなかったとのこと。
一方、大目付菊井(西岡徳馬)はこの進言を快諾し、詳しい話を聞きたいから仲間全員を社殿に集めるよう宣われたと言う。 しかしそこに現れた謎の浪人風情の男(織田裕二)。 「ここは俺のねぐらだ。 盗み聞きをしていた」 と言い、「お前たちは間違っている」 と言うのである。
そして 「なんでお前たちがこんな場所に集められたのか」 と言う。 おそらくここで一網打尽にされると言われる九人だった。 九人はここで話を付けるからと言って集められたのだが、やはり外には不穏な輩が集結し始めていたのだった。 社殿を取り囲まれた九人と浪人、さてこの急場をどうしたもんか、「俺に任せろ」 そういう浪人だった。 浪人はどうこの場をしのぐのだろうか?…
森田監督らしさがこの配役を使いこなすところに出ている感じがします。 たしかこの作品と、「用心棒」 を角川映画がリメイク権を持っているらしいのですが、そちらの方はまだリメイクされていませんね。
まあ正直、黒澤、三船コンビでは相手が悪い、興行収益は惨敗をしたのでおそらくもう一作は製作はされないでしょう。 でも、そういう呪縛が無ければそれなりの心地いい時代劇ですけど、織田裕二が奮闘したと言える作品ですね。
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社殿にいた謎の男
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