anttiorbの映画、映像の世界

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運命じゃない人

2005年作品、内田けんじ監督、中村晴日主演。
 
彼女は鍵を閉めそのカギを新聞受けに入れた。 もうこの部屋には帰ってこない証だった。 
彼女は大きな荷物を持ってあてもなく街に出た。 「知らない星に一人ぼっちでいるみたいだ。この星で一人で生きて行かなきゃならないんだ。」 彼女はそう思い指輪を外し、質屋に持っていった。
婚約指輪だったが、3500円にしかならなかった。 レストランに入って一人ぽつんとしていると。 泣きそうになってきた。 前に座っていた男が声をかけてきた。 「一緒にご飯食べない?嫌だったらいいけど。 もちろんおごるよ。」 彼女はすぐ受け入れた・・・
勤務中のサラリーマン宮田武(中村靖日)。 パソコンで別れた彼女・あゆみ(板谷由夏)の写真を見ては、ため息をついている。 先輩から明日部屋を貸してほしいと言われた。 明日朝行くからよろしくと半ば強引に頼まれてしまった。
マンションに帰ると、親友で私立探偵の神田(山中聡)から携帯に電話がかかってきた。 すぐにいつもの店に来て飯を食おうと言うのだった。 面倒に思ったが、あゆみの話があると言われ彼は家を飛び出していつものレストランに行った。
なかなか来ない神田。 やっと現れたが、大した話ではない。 あゆみは結婚するそうだ、ただそれだけだ、そして後ろの席の女・桑田真紀(霧島れいか)に声をかけ彼は消えてしまった。 これは二人の出会いなのか?・・・
 
内田けんじ監督の長編第1作ですね。 やっと見れました。 5人の主人公が織りなすドラマですが、それぞれの立場、視点で同時刻を追っていく手法をとっています。この4人以外にやくざの親分・浅井(山下規介)がいますが、あゆみの正体、そしてこの5人がどう絡んでいくのかが妙で、とてものどかな一種のサスペンスになっています。
この後長編として、「アフタースクール」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7532230.html
鍵泥棒のメソッド」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8500048.htmlを撮っていますが、どれも秀作ですね。 その原点と言える作品です。
どんどん撮っていく監督もいるでしょうが、じっくりと数年かけていいものを作る、そんな内田監督の性格がまたいいですよね。
出ている俳優さんは超ビッグではありませんが、皆さん演技がしっかりしていて、その辺りのキャスト選びもいいのではないでしょうか?
一応サスペンス(?)の括りみたいですが、ハートフルな一面や、コメディ要素もあり、どんなジャンルが好きな人にも見れるところもまたよくできています。 次の長編作品が大いに楽しみな監督です。
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宮田と神田
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あゆみ
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真ん中が真紀
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宮田と真紀はどうなっていくのか?
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