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ジャッカルの日

1973年作品、フレッド・ジンネマン監督、エドワード・フォックス主演。

1954年に始まったアルジェリア独立戦争、大戦の英雄シャルル・ド・ゴールが1958年に大統領に就任、フランス国内は強いフランスを体現していってくれるという期待に満ちていた。
しかし、彼は戦費拡大による破綻寸前の財政などを鑑み9月にアルジェリア民族自決の支持を発表した。 そして1962年、1台のバイクが不審な行動を見せる。
閣議が終わり、それぞれ帰路に着く閣僚たち。 そして一番最後に出てきた大統領を乗せた車が、ペティ・クラマール郊外で、エリゼ宮殿からパリ近くの空港へ向かう途中、待ち伏せていた軽機銃で武装した1隊の襲撃をうけた。
しかし奇跡的に大統領は無事で、さらに他の者にけがなどもなかった。 首謀者のジャン・マリエ・大佐ほか犯行を行ったメンバーは直ちに逮捕され、大佐は銃殺刑となった。
アルジェリアからのフランス撤退政策をとったドゴールに反対する秘密組織OASは中心的人物を失い、今までの勢いを失いつつあった。 国外に難を逃れたOASの指導者ロダン大佐(エリック・ポーター)は最後の残された手段として、外国人でしかも当局には顔も名前も知られていない殺し屋を雇う事にした。
そこに現れた金髪の男・彼のコードネームは”ジャッカル”(エドワード・フォックス)、ドゴール暗殺というとてつもなく大きな仕事に、ジャッカルは条件を付ける。
「殺すことはできても、その後逃げることが難しい、準備に時間もかかる、そして報酬は50万ドル」 とてつもない報酬額にOASの幹部連は驚くが、ロダンは即決した。
前金で半分、残りは仕事の後ということでジャッカルは仕事を請け負った。 金をどうするのか? OASは銀行、現金輸送車を襲い始めた。 彼に支払う報酬のためである。 そしてジャッカルは行動を開始するのだった…

史実はドゴールは暗殺されません。 しかしこの作品の中に出てくる殺し屋ジャッカルは、ほんとにプロの殺し屋像ですね。 まず報酬が物凄い額を言います。 そして自分の身分を決めます。
幼くして亡くなった者に化け、さらに万が一のためにさらに別の男のパスポートまで盗んでおきます。 偽造のプロや武器屋に依頼するところも抜け目ないですが、何より危険を感じたら容赦なく殺していくところが怖いですね。
ジャッカル扮するエドワード・フォックスは一見優男で、あまり怖い風貌ではないんですが、逆にそれが周りに溶け込んで目立たなくなるんですね。
一方ジャッカルを追う捜査官にマイケル・ロンズデール扮するクロード・ルベル警視が抜擢されますが、こっちはのんきなオジサンタイプで、とても切れ者に見えません。
しかししかしルベル警視がだんだん鋭さを見せていくんですね。 この作品はほとんどBGMはありません。 ですから音楽によって場面が盛り上がるということは全くありませんが、それでいてこの緊迫感。 特にクライマックスはゾクゾクしますね。
物語はフィクションなのかいまだに不明ということですが、このジャッカルのやり方が世の殺し屋たちがマニュアルになるくらいリアルなんですね。 これぞサスペンスの名作でした。(10時)



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入国する時のジャッカル細心の注意をしている

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足がつかない露店で色々調達する

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殺し屋はこうやって練習

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第2の変装

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アクシデントに遭ってもすぐさま立て直す精神力

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