anttiorbの映画、映像の世界

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TATTOO<刺青>あり

1982年作品、高橋伴明監督、宇崎竜童主演。

自転車に乗った警官が、必死に走ってきたところは歳を取った女の家だった。 「竹田さん!」 古びた扉をたたく警官。 中から出てきたのは竹田貞子(渡辺美佐子)という女で、「明夫の事か?あいつは気が短いからまた喧嘩でもしたのか?」 「おばちゃん、それどころではない」 すぐさま貞子はヘリに乗せられあるところへ連れて行かれた。 昭和54年1月29日・竹田明夫・没年30年、彼の母の貞子だった。 明夫の生涯とはどんなものだったのか?
彼は15歳の時、遊興費欲しさに強盗殺人事件を引き起こした。 しかし未成年だった彼が捕まるとき、貞子はきっとそそのかした奴がいると言い、ただ一人明夫を庇っていた。
そして明夫(宇崎竜童)は保護監察処分取り消しになった20歳の時 “30歳になるまでにドデカイ事をやったる!” と誓った。 それまでの生活を一変させるためにパーマをかけ、胸にボタンの刺青を入れキャバレーのボーイになった。
そこで彼が運命の女と確信した女と出会った。 同じ店で働くナンバー・ワンのホステスの三千代(関根恵子)だった。 三千代には同棲相手がいたが、明夫は強引に彼女を奪った。
そして明夫は彼女と暮らすようになる。 しかしだんだんと明夫の長続きしない性格に三千代は嫌気がさしてくるのだった。 そうなると明夫は言うことを聞かない三千代に暴力をふるう。 実家に逃げた三千代だったが、彼女の両親に精いっぱいの演技をし、いやその時は演技ではないのかもしれないが、連れ戻してくるのだ。
しかし結局彼女の心は離れて行くのだった。 30歳までにデカいことをする、それが明夫の口癖であり、目標だった。 そして破滅へのカウントダウンが開始されるのだった…

この作品は実話をもとに高橋監督が、当時復帰間もない関根恵子を抜擢した作品です。 この作品の後、監督と関根恵子は結婚をして大女優となっていきます。
1979年の三菱銀行人質事件は結構覚えていますね。 人質を取り、壮絶に死んでいった梅川昭美は当時極悪人として印象付けられました。
当時としては単独犯で、とんでもない男というイメージが強く、射殺され、担架に乗せられた姿がテレビ画面に出ていたのをはっきり覚えています。 当時は今ほど規制が激しくなかったので映ってしまったんでしょう。
警官、人質4名の犠牲が出た痛ましい事件でしたが、不思議と最近は遥かに凶悪で残酷な事件が多い世の中になってしまった感があります。
この作品では梅川(劇中は竹田)がいかに事件を起こすまで、生い立ち、環境、そしてきっかけなどを掘り下げていますが、結構忠実に映画化されているようです。
主演の宇崎竜童はイメージにピッタリなのかもしれませんが、それまで人気バンドのリーダーで歌手のイメージが強かったのですが、次第に役者として実力をつけて行くようになりましたね。 高橋監督の力作でした。

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竹田は三千代と出会うが

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何かどでかいことを30歳までにやると言っていた竹田は

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