anttiorbの映画、映像の世界

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風立ちぬ

2013年作品、宮崎駿監督・脚本、庵野秀明瀧本美織:声の出演。

屋根の上に登り、備え付けのプロペラ機に乗る少年・堀越二郎、快適に発進しそれを見つめる人々だったが、はるか上空から来る黒い大きな飛行物体。 その中から出てくる小さな黒い飛行隊。 その一つとぶつかり墜落する二郎。
夢はそこで覚めた。  彼の夢は飛行機を作ること、さっそく世界的に著名な飛行機製作者・カプローニ(野村萬斎)の本を、訳しながら読む二郎。 そしてその夜夢を見た。 カプローニが夢のため自分の思うとおりの飛行機を制作しようとする夢だ。 そして二郎の夢とシンクロしたのだ。
月日は流れ、東大に進学した二郎(庵野秀明)は本郷の校舎に向かうために汽車に乗っていた。 座っていた二郎は女性に席を譲ってデッキに座っていたが、突風が吹き帽子が飛ばされた、しかし間一髪帽子を掴んでくれた女性・里見菜穂子(瀧本美織)、お礼を言うと彼女は付き添いの女性と2等席に入っていく。
しかしこの日は大変な日だったのだ。突然大きな揺れが関東を襲った。 関東大震災が起こった日だった。 必死に機関車から離れ逃げ惑う乗客、しかし付き添いの女性が足の骨を折って動けなくなっている、菜穂子を発見した二郎。
上野の自宅まで女性をおぶっていくことにした。 なんとか家の者が助けに来てくれ、寛永寺のあたりで無事を確認すると、次郎は名のりもせず東大に向かっていった。 二人の運命の出会いだった…

2008年以来の宮崎監督作品となりました。 前作はちょっと幻想的な中、主人公に馴染めず、ちょっと可愛さだけが浮き上がった作品に感じました。 その分今度は実在の人物にスポットが充てられたんでしょうか?
主人公の航空技術者・堀越二郎は零式戦闘機で有名ですが、この作品では美しい飛行機を作りたい、その一心で世界に秀でた飛行機の設計に没頭していきます。 しかし時代は第一次大戦が終わり、第二次大戦前夜。 途中からもう日中戦争に突入していきます。 そんな中、最新鋭の飛行機を作ることは、軍需利用されることは明白です。 しかし彼は自分の信念である 「美しい飛行機を作る」 を全くぶれないで突き進んでいきます。 ある意味、潔い人生と言う風に感じました。
さらに堀辰雄の小説とのマッチングで二人のラブストーリーを掛け合わせているということみたいですね。 時代を生き抜いた二人の愛の物語もまた美しかったです。 今回も堀越二郎の声は、声優のプロでなく庵野秀明氏を起用していますが、もうここまで来ると宮崎監督の信念ですね。
でもこの作品では上手い下手でなく、堀越二郎の夢をかなえると言う芯の通った人生のドラマを描くうえでは私は正解だと思いました。 個人的に久しぶりに大人の宮崎作品が見れたことに感激でした。
こういう大人対象の作品を作ったのには、これで宮崎駿の長編は終わりなのかなという気がしました。 
直線的で、CG感が溢れる作品の多い中で、アニメーションを血の通った作品にした先駆者である宮崎駿、個人的には 「ナウシカ」 の完結編を描いて欲しい気がしています。さらに欲を言えば「ルパン3世」の新作も(^^)。 
戦争が嫌いな監督が、時代の風潮にちょっと釘を押したかった面もあり、見終わった後に泪が浮かんでくる、二人の男女の健気さが伝わってくる良い作品だと思います。


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夢がシンクロする


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東大を出て仕事につく二郎

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そして彼女に再会をする




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彼女は絵をかいていた


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急に雨が


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結婚するが、彼女は…


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