アザーズ - anttiorbの映画、映像の世界

2001年作品、アレハンドロ・アメナーバル監督、ニコール・キッドマン主演。

1945年、第2次世界大戦末期の英国、チャネル諸島のジャージー島。　悲鳴と共に目が覚めたグレース（ニコール・キッドマン）は、もう朝になっていることに気がついた。

彼女は二人の子供、娘アン（アラキナ・マン）と息子ニコラス（ジェームズ・ベントレー）と共に広大な屋敷の中で親子3人で住んでいる。　

そんなある日、ミセス・ミルズ（フィオヌラ・フラナガン）と言葉を喋ることのできないリディア（エレーン・キャシディ）、庭師のミスター・タトル（エリック・サイクス）が、訪ねてきた。　聞いていた新しい使用人と思い、グレースは早速3人に家の事を教え始める。　彼女は新聞に勤勉で誠実な人求むと広告を出していたのだ。

この家では必ずドアを閉めてから次のドアを開けること。　ドアは全部で5 0、鍵は15ある。　ミルズに鍵の管理を任せることにした。

この家では静寂を重んじる。　グレースはすべての部屋を見せると言う。　必要だからと。　そしてカーテンをすべて締める。　何故かと言うと、子供たちは太陽に浴びることができないアレルギーだと言うのだった。　浴びると体がすぐ腫れ上がるのだ。前の使用人は消えてしまったと言うグレース。　父は大戦に行っていると言うアン。二人の子供はグレースからあまりおしゃべりしてはいけないと言われている。　

次の日グレースはあることに気がついた。　求人のハガキはまだ出していなかったのだ。　それでは3人はどうして来たのか？　ミルズに問いただすと、飛び込みできたと言う。　昔この屋敷で働いたことがあると言う。　その頃の思い出はとてもよかったのでとミルズは説明をした。

勉強はグレースが教えていた。　ある日アンが変なことを言うようになった。　幽霊がいると言う。　それからグレースも子供の泣き声が聞こえた。　アンに聞くと男がいたと言う。　グレースはアンが嘘をついていると思いアンに罰を与えるのだった。

しかし不可思議な現象はだんだんエスカレートしていくのだった…

スリラー、ミステリー、いろいろな面がある作品ですが、やはりこれはホラーの範疇ではないかと思いますね。　悲しい親子の悲しいお話です。　

謎の3人、そしてこの親子の正体は最後に解りますが、設定は面白い作品です。　不可思議な現象はなぜ起こるかだけがこの作品の肝なので、ラストまで引っ張られるのですが、より悲しげな父・チャールズ（クリストファー・エクルストン）が帰ってきて、そして消えるところで、この作品の性質がうっすら見えてきます。

ニコール・キッドマンは怖い顔をした母親役をこのころから、もうしているんですね。必死に子供を守る役はもうはまり役になってきています。　人間は幽霊を怖がるんですが、実は向こうの方が人間を怖がっているんではないかと思える作品でした。