anttiorbの映画、映像の世界

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奇跡のリンゴ

2013年作品、中村義洋監督、阿部サダヲ菅野美穂出演。

岩木山が日本最大のリンゴ畑を見下ろす青森県中津軽郡。 この地で生を受けた三上秋則は、幼い頃から学生時代にかけて、車やバイク、エレキギターなど機械いじりに夢中になって過ごしていた。
すべて分解してしまう子供で、だんだん歳を取っていくと、改造するようになっていったが、なかなかうまくいかない。 しかし彼はめげなかった。 でも生まれ故郷の農家には自分は向かないと思っていた。
時は高度経済成長の時代。 物を作るメーカーに勤務し、東京で働いている秋則(阿部サダヲ)だったが、ある日実家に呼ばれた。 記録的な暴風の台風に襲われ、青森の林檎が壊滅的な打撃を受けた。 その被害を計算させるために呼ばれたのだが、三上幸造(伊武雅刀)はこの機会に、見合いをさせ青森に帰ってこさそうとするのだった。
その家は木村家と言って、早くに妻を亡くした征冶(山崎努)と娘の二人暮らしだ。 次男坊である秋則は婿養子として木村家にどうかというのだった。 気乗りのしない秋則は1時間も遅刻して、それも友人のもっちゃん(池内博之)に連れてこられ見合いの席に行った。 そして紹介された娘・美栄子(菅野美穂)、彼女は幼馴染で、秋則はほのかな恋心を持っていた子だった。
決断は早かった。 人を明るくする性格の秋則に美栄子もプロポーズをOKするのだった。 
祝言の日は大雪で、停電になってしまった。 その時も仏壇のろうそくをいち早く持ってきたのは秋則だった。 義父の征治は 「自分の事は親父と呼べ」 という。 そして3人でリンゴ畑で働き始めるのだが、ある日美栄子は苦しみだす。
彼女は農薬アレルギーだった。 それも結構きつい症状なのだ。 それを見た秋則は何とか彼女を救いたいと思うようになった。 そして農薬の量を減らすやり方を模索し始める。 そしてさらに秋則は無農薬への挑戦を始めるのだった。 しかし林檎というのはそう簡単に行く代物ではなかったのだった…

林檎ってこんな果物だったとは、初めて知りました。 林檎の歴史から入るこの作品は、ちょっと自分の無知さと、農家の方々の苦労を改めて知った作品となりました。ほぼ実話のこの作品は、モデルの木村秋則さんもご健在で、おそらく今までのご苦労を思い出されたことと思います。
「進むも地獄、戻るも地獄」 いよいよ追いつめられた時に、心に響いた娘の一言、そして作文、人間一番苦しい時、家族の有難さ、それこそが何よりの力を実感させる心響く物語でした。
しかしかたや農薬を開発した人間の素晴らしさもまた反面にあるようにも思いました。 リンゴが日本に入ってきた時、あまりにも難しくて、多くの県が辞めていった中、青森県が頑張って取り組み、そこでたどり着いたのが農薬を使ったやり方でした。 しかしそれを一歩進めた無農薬、確かに道のりは長かったですが、奇跡が起きたときは実話ということもあり心が感動でいっぱいになりました。
もちろん林檎が食べたくなったことは言うまでもありません。 良い作品でした。

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無農薬?これだ!

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4つある中の一つ、無農薬をやらせてください

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今は少なくなった公衆電話、誰と話しているかというと

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切羽詰まった秋則は奇跡を見つける

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奇跡は笑顔と一緒にやってくる

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