anttiorbの映画、映像の世界

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リアル~完全なる首長竜の日~

2013年作品、黒沢清監督、佐藤健綾瀬はるか主演。

和淳美(綾瀬はるか)は漫画家、藤田浩市(佐藤健)とは幼いころ少しだけ飛古根島で一緒に小学校に通っていた。 二人は再び出会い付き合い始めた。
しかし1年前突然淳美が自殺未遂を図りそのまま意識が戻らない状態が続いていた。 浩市は<センシング>という方法で淳美の意識の中に行くことを決意する。 国立先端医療センターの相原(中谷美紀)からいろいろ説明を受けるが、ちょっと落ち着かない浩市だった。 しかし何とか意識を取り戻させようと浩市は彼女の意識の中に入っていく。
部屋に行くと彼女は一心不乱に漫画を描いていた。 彼女が自殺未遂をしたことは公にはされていなかった。 意識下の中でも漫画を描き続けている和美。 締め切りに追われているようだ。
そして浩市は意識下の彼女に言う、 「ここは君の意識の世界だ」 そうすると彼女は言う 「首長竜の絵を覚えている? あの絵があればもしかすると」 もしかするとそれが彼女が戻ってこれるきっかけなのかもしれないと思い、相原に相談をする浩市。
始めは1時間のセンシングだったが、次の時にはマンションの住人が出てきたが、ぼやけた像で、生きていないような男だった。 怖くなる浩市、そして今度は彼女の部屋で死体を見る。 それは彼女が書いている「ルーミー」という漫画に出てくる死体の画像だった。
相原はこのセンシングをやると実際の生活に副作用が現れる場合があると言う。 そして浩市は首長竜の絵を探しに、貸倉庫や、自宅に行くのだが…
 
この仮想空間の設定は大変興味があり、この映画は観たかったんですね。 昔、フジテレビの「世にも奇妙な物語」でバーチャル空間の話があり、 錦織一清が実験者なんですが、実は彼はもう脳みそだけだったというオチの話がありました。
非常にショッキングな話でしたが、物凄く面白かったんで、こういう設定もいずれ現実化できるのかななんて思っていました。
この作品は、ある種、夢の世界に入ることができるかどうかという話ですよね。 夢の世界、精神のみの世界、なかなか入っていけない領域、入ってはいけないような領域に踏み込んだ感じですが、それを医療にというのでしたら、ありかもしれませんね。
黒沢清監督の作品はホラーを主としてよく見ていますが、この作品もホラーではありませんが、恐怖描写もあり、結構ぞくっとしますね。
基本ラブストーリーですが、それだけでは終わらない、そしていい感じのどんでん返しもあり、夢の世界ならではの設定をうまく使っている力作に感じました。
主役のふたりも好演だったと思います。

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センシングにより和美の意識下に入っていく浩市、見守る相原

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「首長竜の絵を探してきて」そう言われ実家に行く浩市

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雑誌の編集者とアシさん

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幼いころの二人が行った海岸

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そして意識下の中で

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