ビーチャム・ハウス、引退した音楽家たちが身を寄せるホームだ。
このホームは資金繰りが大変だった。 このままではビーチャム・ハウスは存続が危うい。 そこで、コンサートを開催しようと準備が進められていた。
セドリック・リビングストン(マイケル・ガンボン)が指揮を取り、出し物を各自練習に励んでいる。
ある日ハウスに一人の気高い夫人がやって来た。 腰が悪いため杖は欠かせないが、険しい顔で到着した。 彼女は大スターだったプリマドンナのジーン(マギー・スミス)だ。 彼女はあえてここを選んで入居してきたのだった。 それはかつての恋人レジーがいるからだった。
いったい二人の間に何があったのだろうか? 果たしてハウスのコンサートは成功するのだろうか?…
ダスティン・ホフマンの初監督作品、久しぶりに来日もし、PRに余念がありません。どうしてオペラをはじめとする音楽にあふれる作品を彼が監督をしたんでしょうか?どうもそれは、彼の音楽に対する思いがあったんでしょうね。
また今まで監督をしていなかったのが不思議なくらいの存在ですね。 名優が監督をするからといって必ずしもいい作品を撮るとは限りませんが、この作品は脇を固める音楽家たちの技術が凄いですね。
確かに一線を退いた方たちが多いですが、まだまだすごい腕?を発揮されて最後のコンサートを盛り上げてくれます。
物語としては、売れっ子芸術家のプライベートな生々しさを見せながら、老齢期に入った心の在り方、そしてここでどういった第2の人生を歩もうとするのか、そんなある意味人生の節目を4人のカルテットのメンバーを通して描いていく作品でした。
真面目なイメージ強いマギー・スミスが、若いころ奔放な恋をしていた設定がちょっと辛い感じがしますが、逆に爆発するところなんかは、迫力がありました。
エンドロールを見ながらひとり 「オーッ!」 と小さく感嘆していました。
孤高の芸術家たちが、人生の最期を飾るこんな場所があってもいいですよね。
でもコーガンは太くないとやっていられないとも思いました。