覗き部屋の前に立って客引きをする男(宇野祥平)だが、まだ日も高いので誰も入らない。 そこから出てきた男・北町貫多(森山未來)は中卒で日雇いで暮らしている。小さいころ父がわいせつ犯罪で逮捕され、それから母と妹で夜逃げをした。
風呂なしトイレ共同の安アパートに住んでいるが、そこでも家賃を4か月滞納している。 大家のおばさん(藤井京子)の前では殊勝なふりをしているが、金が入ると、酒と風俗で消えてしまう。
彼の楽しみの一つは本を読むことだった。 そして行きつけの古本屋に可愛い女の子がいた。 彼女は桜井康子(前田敦子)というが、話し掛けることはできない貫多だった。
ある日いつものようにバスに乗り込んで仕事場に行く途中若い男に話しかけられた。 彼は九州から出てきて専門学校に通っている日下部正二(高良健吾)といった。 話しているうちに同い年と分かり、意気投合する二人。
貫多は正二に風俗を教え始める。 そして正二は古本屋に行き、康子に貫多と友達になってくれるようお願いをする。 康子は一人暮らしの寂しさから 「友達として」 とOKする。
しかし友達の意味がなかなか理解できない貫多。 ふたりは外での荷卸しから、毎日来ていることを認められて、倉庫内作業に格上げになった。 しかしある日、一緒に働いていた高橋岩男(マキタスポーツ)がリフトの下敷きになり大けがを負う。 そして貫多は康子に迫っていくのだった…
これは原作者の西村賢太の自伝的小説といわれた作品の映画化です。 レビューを書いているとサイテーの男ですが、これがまた人間の本性むき出しで、大変面白いんですね。 たしかにもっと世の中勉強しろよ、甘えるなよと思うところ大ですが、それはそれで人間らしいんですよ。
飯食って、酒飲んで、遊ぶ。 金が無いからギャンブルはできないし、やらないみたいですが、ただ何かを書きたいという願望は強いんですね。 だから本を読むんですね。 でもそのきっかけがなかったんですね、若いころは。
主役級の3人は好演ですが、今メキメキ売出し中のおっさん、マキタスポーツが最高でした。 彼はオフィス北野の 「最終兵器」 といわれて今プチブレーク中ですが、しっかり演技もできるし、もう一つ何かはまり役があれば、でんでんみたいになりそうですね。 彼のラジオも聴いているし、泥臭い芸風が大好きなんですよ。
山下監督は 「リンダ リンダ リンダ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/2123690.htmlが最高でしたが、この作品も結構生き生きしていてよかったですね。
北町の男臭に惹かれる正二
マドンナ役のアッちゃん、結構大胆演技でしたね
「友達として」殺し文句ですね(^^)
それでも彼女のアパートに入り込んだが…
バイト先の古株の男