恐怖に駆られる顔の映像がある。 それに映っているのは増岡拓喜司(塚本晋也)。 いったい彼は何におびえているのだろうか。 増岡は自ら絶えずハンディを手放さない男。
ある日偶然地下鉄構内で撮った映像に、我を忘れた。 その映像とは恐怖にひきつる男の顔であった。 その男は地下道でパニックを起こしてナイフを振り回し、自らの右目を刺して死ぬシーンだった。 その時の男の顔を見てこんなに恐怖を感じる時っていったい何を見てこの顔をするのだろうか? 彼はその恐怖のもとの映像を見てみたいのだった。
今まで色々な画像を撮ってきた。 心霊映像らしきもの、UFOらしきもの、色々撮ったがそこに恐怖は無かった。 彼の撮ったこの映像はニュースにもなりテレビで流れた。
彼はもう一度現場に行ってみた。 そして地下に何かを感じどんどん地下に入り込んでいった。 作業をする者の目をくぐり、どんどん下に降りていくと、こんな空間があったのかというところに出た。 しかしそこに四足で歩く奇妙なものを見かけた。 それは一瞬のことで、錯覚かもしれなかった。 さらに進むとここにもホームレスがいた。 しかしそのホームレスは何かにおびえていた。
「デロ」彼はそう言った。 そして後ろに気配を感じた。 一人の男が立っていた。 それは彼が映した死んだはずの男・黒木(中原和宏)だった。 東京の地下には昔からいろいろな空間がある。 東京だけでなく世界の各都市には地下に空間がある。これは第2次大戦以前からあると言われている。
そういうと彼は消えてしまった。 そしてさらに進むと広い空間に出た。 そこは地底世界のように見えた。そ して彼はそこである物を見つけるのだった…
ホラー番長というシリーズの作品です。 清水監督作品ですが、どちらかというと塚本ワールドですね。
清水監督と言えば「呪怨」シリーズですが、そういういわゆるJホラーとは一風変わった狂気の世界を描いています。 現実なのか狂気なのかはたまたやっぱり現実か。最後は二転三転していきます。
東京の地下空間については、以前から興味があるんですね。 その手の本は何冊か読み、小説も読みましたが、戦時中か、あるいはその前から一般の人には知られていない地下空間があるという都市伝説があるようですね。
この作品はそのあたりとひっかけて作っている感じです。 このシリーズはまた観る機会もあるので書こうと思います。