1979年作品、ドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演。
ここはアルカトラズ島。 一度は行ったら出れない鉄壁の牢獄。 一人の男が収監されてきた。
彼はフランク・モーリス(クリント・イーストウッド)、いろいろな刑務所を脱獄し、とうとうここに送り込まれてきた。 ここから生きて出られた者はいないと言われている。
問題囚ばかりが収容されているこの刑務所は、冷酷な所長ウォーデン(パトリック・マクグーハン)の下で厳重な警備体制がとられていた。
この警備の裏をかいて脱出が成功しても、行手にはサンフランシスコ湾が横たわっている。 潮の流れが早く、冷水のため、泳ぎきるのは不可能に近い。 モーリスは早くも所長から目をつけられ、ここから出ることを考えることは無駄だという。
モーリスがここで知り合った者たちは、ネズミをペットにしているノトマス(フランク・ロンチオ)、図書館の係員をしている黒人のイングリッシュ(ポール・ベンジャミン)、絵を描くのが趣味だというドク(ロバーツ・ブロッサム)、隣りに入ってきたチャーリー(ラリー・ハンキン)という面々だった。
入って早々ウルフ(ブルース・M・フィッシャー)にからまれ叩きのめしたが、喧嘩両成敗でしばらく独房に入れられてしまった。 チャーリーは戻ってからの付き合いだ。 所長は性格が陰険でドクから絵を描くことを取り上げたり、様々囚人たちを虐げるのだった。 そこに刑務所でいっしょだったアングリン兄弟(フレッド・ウォードとジャック・チボー)が入ってきた。 モーリスの脱獄計画が始まった。 参加するのはモーリス、チャーリー、そしてアングリン兄弟。イングリッシュは足が悪いのでそれとなく誘うが無理だと言った。 しかし復讐のためモーリスをつけ狙うウルフ。 はたしてこの難攻不落の島から脱出することができるのか?・・・・
これは実際にあった話の映画化です。 30年以上前に劇場に見に行きました。 暗くBGMもない映画ですが、結構圧倒されました。
ちょうど今の私くらいの年齢のクリント・イーストウッドの渋さがカッコよかったです。脱獄物と言えば、「プイズンブレイク」 というヒットしたドラマがありましたが、結構この映画でやっていることを使っていましたね。
まあ脱獄を計画する者たちは限られた環境の中でやることは似通ってくるんでしょうね。
イングリッシュ役のポール・ベンジャミンがまたいいんですね。 脱獄直前にモーリスを救うシーンはこれまたかっこいいんですよ。 この刑務所の裏ボスなんですね。
これも息子が見始め結局最後まで見て 「おもしろかった!」 と感動していました。ラストのテロップが出るシーンがモーリスのダミー人形なんですが、皮肉たっぷりでこれも粋でしたね。
監督のドン・シーゲルとクリント・イーストウッドは結構強い絆があったようですが、この作品が二人での最後仕事だったらしいですね。こんな映画をまた見たいと言える作品でした。
誰も脱獄したことのない刑務所にやってきたモーリス
早くも突っかかってくるウルフ
アングリン兄弟がやってきて、計画を実行に移す
地道な作業が始まる