2024年作品、バーセル・アドラー ユヴァル・アブラハーム ハムダーン・バラール ラヘル・ショール監督。
ヨルダン川⻄岸地区のマサーフェル・ヤッタで⽣まれ育ったパレスチナ⼈の⻘年バーセルは、イスラエル軍の占領が進み、村⼈たちの家々が壊されていく故郷の様⼦を幼い頃からカメラに記録し、世界に発信していた。 そんな彼のもとにイスラエル⼈ジャーナリスト、ユヴァルが訪れる。 ⾮⼈道的で暴⼒的な⾃国政府の⾏いに⼼を痛めていた彼は、バーセルの活動に協⼒しようと、危険を冒してこの村にやってきたのだった。
同じ想いで⾏動を共にし、少しずつ互いの境遇や気持ちを語り合ううちに、同じ年齢である 2 ⼈の間には思いがけず友情が芽⽣えていく。 しかしその間にも、軍の破壊⾏為は過激さを増し、彼らがカメラに収める映像にも、徐々に痛ましい犠牲者の姿が増えていくのだった。
監督は4人です。主な出演者のバーセル・アドラーとユヴァル・アブラハームの二人が、パレスチナとイスラエルなんです。
今作はパレスチナとノルウェーの共同制作ということですが、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しました。
必見だった今作、この舞台となっているマサーフェル・ヤッタはパレスチナ人が多く住んでいるところですが、イスラエルから軍の訓練地だということが裁判所で決定され、家をどんどん壊して行くんです。 バーセルは、カメラマンということで報道のライセンスを持っているので、カメラを回しているのは基本咎められないはずですが、彼に寄り添って行くのがイスラエル国籍のユヴァルでした。
初めはお互い停滞している関係なんで手探りのようでしたが、自国の軍隊が冷酷にパレスチナ人の家を壊して行くのを、いてもたってもいられず、バーセルに寄り添って行くんです。
パレスチナ問題は、このドキュメンタリーが撮影された直後に過座の問題が起きていて、その前触れのような事象であり、いつも思うんですが、この地に平和というのは、私が生きている間には解決できない気がしています。
数百年かかりそうな問題のような気がします。