2000年作品、ロブ・エプスタイン ジェフリー・フリードマン監督、ルパート・エヴェレットナレーション。
かつてドイツで施行されていた同性愛者を差別する刑法175条。同法により、特にナチ支配下で男性同性愛者が弾圧されていた事実を、6人のゲイとひとりのレズビアンが証言。 当時、約10万人が捕まり、1万から1.5万人が強制収容所に送られ、強制労働や医学実験に使われた結果、生存者はおよそ4000人。 本作製作時には生存が確認出来たのは僅か10名に満たなかった。 強制収容所での体験を告白するハインツ、フランス人ピエールは自分のボーイフレンドが虐殺されるのを目撃、ユダヤ人のガドは地下抵抗組織の指導者としての経験を語る。
監督はロブ・エプスタインとジェフリー・フリードマン、「ラヴレース」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/06/11/180000 を記事にしています。
上記作品とは打って変わったドキュメンタリーですね。2000年作品ですが、川越スカラ座のドイツ映画研究の渋谷哲也さんがドイツ映画にこだわらずに作品をチョイスして上映する「シブコレ」でかかりました。
ナチの虐殺といえば、ユダヤ人大虐殺ですが、結構知られているのが弱者だったり、共産主義者も容赦なかったと言われています。
今作では同性愛者に対しての、ナチの酷い仕打ちを生き残った体験者の経験を聞いていくというスタイルで振り返っていきます。
ただ、この同性愛者に対する差別、そして法的な措置は、終戦と同時に解消されたわけではなく、体制が変わっても有罪は続き、戦争被害者としての扱い、補償は近年にならないと受けられなかった、ということは、被害にあった、恐ろしい体験をしたことは戦争が終わっても言えなかったというなんとも酷い仕打ちが続いていたという事実を明かした作品でした。
自分と違う考え、生活様式を持った人間といかに尊重して付き合っていくのかは、確かに難しいし、受け入れるのが大変かもしれませんが、お互いに尊重できる世の中になることは望ましいんでしょう。