2020年作品、ソニア・リザ・ケンターマン監督、ディミトリス・イメロス タミラ・クリエヴァ タナシス・パパヨルギウ スタシス・スタムラカトス出演。
アテネで36年間、高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた50歳のニコス(ディミトリス・イメロス)。 無口で内気な性格で、店の上の屋根裏部屋に一人で住んでいる。 ギリシャを不況が襲うなか、長年大切に保管してきたお得意様の型紙を整理する日々が続く。 そんな中、銀行から突然店の差し押さえの通知が届き、ショックで父(タナシス・パパヨルギウ)が倒れてしまう。
父のためにもなんとか店を立て直したいニコスは、病院で見たキャスター付きの台をヒントにある事を思いつく。 廃材を使って足踏みミシンを乗せた屋台を作り、なんと移動式の高級スーツの仕立て屋を始めたのだ。
だが思い切って店を飛び出してはみたものの、値段が高いオーダーメイドスーツは道端では全く売れず、商売は傾く一方。 途方に暮れていると、ある女性に声をかけられる。「娘の結婚式用のウェディングドレスは作れる?」これまでは紳士服一筋のニコスだったが、父のため、そして大切な店のため、初めてのウェディングドレス作りに挑むことに。
ニコスは隣に住む親子、心優しいオルガ(タミラ・クリエヴァ)と元気な娘のヴィクトリ(アダフネ・ミチョプールー)に手伝ってもらい、女性服の仕立てを学び始める。 そして3人で力を合わせて、ニコスの屋台にはカラフルなスカートやワンピースが少しずつ増えていくのだった。 はじめはオルガとぎこちない会話しか出来ないニコスだったが、無邪気なヴィクトリアの助けも借りながら、お互い徐々に心を開いていく。
世界に1点のニコスのオーダーメイドのウェディングドレスは次第に評判になり、アテネの女性達の間でたちまち大人気に。 だが昔気質な父は女性服を作るニコスをなかなか認めようとはしてくれない。 その一方で、青空の下で店を開けば行列が出来るほどになり、商売は軌道にのったかのように見えたのだが。
地味なテーマを、うまく仕上げていた作品でした。
監督はソニア・・リザ・ケンターマン、初めて作品を見る監督です。
主演はディミトリス・イメロス、他の出演者もあまり見たことのないキャストでしたね。
物語は紳士服一筋でやってきた老舗の仕立て屋さんですが、ここにきてお得意さんも年配ばかり、そして今どき仕立て屋さんでオーダーメイドをする客も激減してしまいます。 型を整理していて、銀行から督促を受けます。 このままでは店を手放す事になる、父も倒れてしまい途方に暮れるニコスですが、彼は屋台を作り、移動販売を始めます。
しかし紳士服が屋台では売れません。 そんな時ある女性がウエディングドレスはできないのか? を聞いてきます。 作ったことのないウエディングドレス、しかし彼は引き受けます。 少し前から婦人服を作ろうと思っていて、隣人の主婦オルガに手伝ってもらったことから、その娘ヴィクトリアにも助けてもらい、移動式販売が軌道に乗っていきます。
今作はニコスの必死な立て直しと、儚い恋心、実はそれに幼い娘が嫉妬をするところが可愛くも、儚く、切ないんですね。 結局のところ店は無くなってしまいますが、でも彼のしてきたことは店はもういらないんですね。
父と二人の店だったが
こういう日が終わりを告げる
そして彼は考えた
移動式の店を
しかしまったく売れず
しかしウエディングドレスの注文から
二人の協力で
変わっていくが