anttiorbの映画、映像の世界

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存在のない子供たち

2018年作品、ナディーン・ラバキー監督、ゼイン・アル=ラフィーア ヨルダノス・シフェラウ ボルワティフ・トレジャー・バンコレ カウサル・アル=ハッダード出演。


わずか12歳で裁判を起こしたゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)が訴えた相手は、自分の両親(ファーディー・カーメル・ユーセフ、カウサル・アル・ハッダード)だった。裁判長から、“何の罪で?” と聞かれた彼は、まっすぐに前を見つめて “僕を産んだ罪” と答える。
中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったため、自分の誕生日も知らず、法的には社会に存在すらしていない。 学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで、両親から劣悪な労働を強いられていた。 唯一の支えだった大切な妹・サハル(シドラ・イザーム)が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、大人たちが作ったさらに過酷な “現実” だった。 果たしてゼインの未来は……。
 
この作品は、本当に心が痛い作品でした。
監督はナディーン・ラバキー、「歌声にのった少年」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14456762.html では女優として出演していました。監督作品は3作目のようです。 今作でも後半に出演しています。
主演はゼイン役のゼイン・アル・ラフィーア、もちろん映画初出演ですが、今は15歳なんでもうちょっと大きくなっているかもしれません。 3年かけて撮りきった作品ということで、当時は実年齢に近かったようでしょう。 でも彼は小柄でもっと外見は幼く見えるんですね。 でも彼が一番の大人なんです。
そして途中から知りあうラヒル役のヨルダノス・シフェラウ、彼女もこの作品で選ばれましたが、2歳の息子役のボルワティフ・トレジャー・バンコレにも、実は映画に負けないドラマがあったようです。 この息子役のヨナスが凄くリアルなんですが、これは演技を超えた現実です。
 
物語は衝撃的な裁判シーンで始まります。 どうやら原告の少年は、ある人物を刺した罪で逮捕され服役中、しかし獄中彼は裁判を起こし、被告はなんと両親なんですね。 そして “自分を生んだ罪” という過酷な理由で。
ゼインは、人生を諦めきった両親、そして多くの兄弟のために必死に働いています。 もちろん学校なんていく暇も無く、親はそんなことより働けて言い続けます。 どうして両親は働かないのか? 父いわくどこに行っても差別され、すぐに首になる、今となっては自分を使ってくれるところもないと言い訳をします。
昼間は雑貨店に行き、配達をして金を稼ぎ、その仕事がない時は、兄弟でジュースを作って路上で販売する。 しかしゼインはその雑貨店の男が大嫌いなんですね。 それは11歳の妹を狙っているから。
そしてその妹のサハルに生理が始まります。 彼の取った行動は、その生理が始まったことを必死に隠そうとするんですね。 それがバレれば、おそらく彼女は結婚という理由で売られていく事がわかっているから。
男が両親に話をしにきたとき、ゼインはもう妹を連れて逃がすしかない、しかしこの計画は失敗してしまいます。 そしてゼインは一人でバスに乗り、家出をするんですが、彼を待っていたのはもっと苛酷な現実でした。
この作品はフィクションですが、一つ一つ描かれている現状はリアルでおそらくスタッフが取材を集めた現実でしょう。 貧困の大家族、密入国の現状、そして低年齢での結婚、日本にいる事がいかに恵まれているか、そんなことまで吹き飛んでしまう出口のない圧倒的な現実感が襲い掛かってくる125分です。
最後に、両親に息子が突きつける難問、もう両親はゼインに何も言い返す事が出来ない。 目の前の貧困から逃げ続けて、垂れ流しのSEXをする両親を心から軽蔑をするゼイン、子供は売るための品物なのか?そんな叫びさえも感じる物語でした。

 

 

2018年作品、ナディーン・ラバキー監督、ゼイン・アル=ラフィーア ヨルダノス・シフェラウ ボルワティフ・トレジャー・バンコレ カウサル・アル=ハッダード出演。

わずか12歳で裁判を起こしたゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)が訴えた相手は、自分の両親(ファーディー・カーメル・ユーセフ、カウサル・アル・ハッダード)だった。裁判長から、“何の罪で?” と聞かれた彼は、まっすぐに前を見つめて “僕を産んだ罪” と答える。
中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったため、自分の誕生日も知らず、法的には社会に存在すらしていない。 学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで、両親から劣悪な労働を強いられていた。 唯一の支えだった大切な妹・サハル(シドラ・イザーム)が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、大人たちが作ったさらに過酷な “現実” だった。 果たしてゼインの未来は……。
 
この作品は、本当に心が痛い作品でした。
監督はナディーン・ラバキー、「歌声にのった少年」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14456762.html では女優として出演していました。監督作品は3作目のようです。 今作でも後半に出演しています。
主演はゼイン役のゼイン・アル・ラフィーア、もちろん映画初出演ですが、今は15歳なんでもうちょっと大きくなっているかもしれません。 3年かけて撮りきった作品ということで、当時は実年齢に近かったようでしょう。 でも彼は小柄でもっと外見は幼く見えるんですね。 でも彼が一番の大人なんです。
そして途中から知りあうラヒル役のヨルダノス・シフェラウ、彼女もこの作品で選ばれましたが、2歳の息子役のボルワティフ・トレジャー・バンコレにも、実は映画に負けないドラマがあったようです。 この息子役のヨナスが凄くリアルなんですが、これは演技を超えた現実です。
 
物語は衝撃的な裁判シーンで始まります。 どうやら原告の少年は、ある人物を刺した罪で逮捕され服役中、しかし獄中彼は裁判を起こし、被告はなんと両親なんですね。 そして “自分を生んだ罪” という過酷な理由で。
ゼインは、人生を諦めきった両親、そして多くの兄弟のために必死に働いています。 もちろん学校なんていく暇も無く、親はそんなことより働けて言い続けます。 どうして両親は働かないのか? 父いわくどこに行っても差別され、すぐに首になる、今となっては自分を使ってくれるところもないと言い訳をします。
昼間は雑貨店に行き、配達をして金を稼ぎ、その仕事がない時は、兄弟でジュースを作って路上で販売する。 しかしゼインはその雑貨店の男が大嫌いなんですね。 それは11歳の妹を狙っているから。
そしてその妹のサハルに生理が始まります。 彼の取った行動は、その生理が始まったことを必死に隠そうとするんですね。 それがバレれば、おそらく彼女は結婚という理由で売られていく事がわかっているから。
男が両親に話をしにきたとき、ゼインはもう妹を連れて逃がすしかない、しかしこの計画は失敗してしまいます。 そしてゼインは一人でバスに乗り、家出をするんですが、彼を待っていたのはもっと苛酷な現実でした。
この作品はフィクションですが、一つ一つ描かれている現状はリアルでおそらくスタッフが取材を集めた現実でしょう。 貧困の大家族、密入国の現状、そして低年齢での結婚、日本にいる事がいかに恵まれているか、そんなことまで吹き飛んでしまう出口のない圧倒的な現実感が襲い掛かってくる125分です。
最後に、両親に息子が突きつける難問、もう両親はゼインに何も言い返す事が出来ない。 目の前の貧困から逃げ続けて、垂れ流しのSEXをする両親を心から軽蔑をするゼイン、子供は売るための品物なのか?そんな叫びさえも感じる物語でした。

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ゼインと兄弟はジュースを売りにいく

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最愛の妹サハルだったが

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密入国のラヒルと遊園地の同僚

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なぜゼインは両親を訴えたのか?

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そして捕まってしまう女性たち

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