2017年作品、マルコ・プロゼルピオ監督、イギー・ポップ:ナレーション。
正体不明のカリスマグラフィティアーティスト、バンクシーがパレスチナ・ヨルダン西岸地区ベツレヘムの壁に “ロバと兵士” の絵を描く。 これが地元住民の怒りを買い、タクシー運転手のワリドがウォータージェットカッターでその壁を切り取ってしまう。 さらに、その切り取った壁を大手インターネットオークションサイト “eBay” に出品し、最高額の入札者に売ろうと試みるワリド。
実は、バンクシーのことが語られている作品をつい先日も見ました。
監督はマルコ・プロゼルピオ、今作が初監督でしょうか? 詳細な取材の元、結構な歳月をかけた作品ですね。
ナレーションはイギー・ポップ、彼は自伝映画 「ギミー・デンジャー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15126788.html を見ています。
パレスチナにもベルリンの壁のようなものがあるんですね。 分離壁と呼ばれていますが、いつしかここにはいろんなアーティストが絵を書くようになっていくんです。 そしてそれを見に観光客が来るようになるんですね。
その中に、謎のアーティストバンクシーの絵がかかれるようになって行きます。 何かを訴えるような、そして芸術性を感じさせる絵、現地では、歓迎するような雰囲気になっていきます。
タクシー運転手のワリドはその中の一人で、初めはもっと書いてほしいというんですが、彼はある考えを宿します。 それはこの壁画ごと、取ってしまうということでした。自分の力ではできない、そして財力のある男に話を持ちかけるんですね。
そしてそれに成功した現地の男たちは、オークションに出品させるため売り払うんですが。
しかし、何のためにバンクシーは、そしていろんなアーティストは絵を描き始めたのか? それはこの壁の意味が何なのか、何のためにあるのか? という根本的な問題、パレスチナという自治区の存在をどう世界は見ているのか? そしてどうして行ったらいいのか? そんなことをひっくるめて絵にしていったのではないのか?
ある意味怒りを、悲しみを、憤りを、そんなことがバンクシーの絵から感じる気がしますが。