anttiorbの映画、映像の世界

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おとうと


東京の私鉄沿線、商店街の一角にある高野薬局。 夫を早くに亡くした高野吟子(吉永小百合)は、女手ひとつで一人娘の小春(蒼井優)を育てながら、義母の絹代(加藤治子)との三人で暮らしている。
小春とエリート医師との結婚が決まり、一家は幸せの頂点にあった。 結婚式の前日、吟子は宛先不明で戻ってきた招待状を受け取る。 大阪で役者をしているはずの弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)に宛てたもので、酒を飲んで大暴れした吟子の夫の十三回忌を最後に音信不通になっていた。
式の当日。 和やかに始まった披露宴の途中、羽織袴の鉄郎が汗だくになって現れる。 吟子の兄、庄平(小林稔侍)に酒を飲むなと強く釘を刺されるが、我慢できたのは最初の数十分だけ。 若者に交じって酒を一気飲み、マイクを独占し会場を練り歩いて浪曲を披露、あげくはテーブルをひっくり返す始末。 新郎の両親にさんざん文句を言われた庄平は、鉄郎と縁を切ると宣言する。 翌朝、吟子は鉄郎に、大阪に帰る電車賃をそっと渡し見送った。
小春の結婚生活は長くは続かなかった。 育った環境の違い、夫の多忙、そしておそらくは鉄郎の件も。 やがて離婚が成立、再び高野家で三人暮らしが始まる。
ある夏の日、鉄郎の恋人だという女性(キムラ緑子)が高野薬局にやってきた。 鉄郎直筆の借用書を見せ、鉄郎と連絡が取れず困惑する彼女を哀れに思い、吟子はなけなしの預金を引き出すと全額を手渡す。 ほどなく、鉄郎が東京に現れた。
吟子の様子から全てを察した鉄郎は言い訳をするが、その不誠実な言動に、吟子は鉄郎との絶縁を言い渡す。 それ以来、鉄郎の消息はぷっつりと途絶えてしまった。
穏やかな日々が過ぎ、高野家では鉄郎のことが話題に上がることもなくなっていたが、吟子は密かに大阪の警察に捜索願を出していた。 そんな中、鉄郎が救急車で病院に運ばれたという連絡が入る。 吟子は急遽大阪に向かうが、鉄郎の身体中にガンが転移、余命数ヶ月との報告を受ける…

山田監督の人情話ですね。
山田監督は近年は 「家族はつらいよ」 シリーズ https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%B2%C8%C2%B2%A4%CF%A4%C4%A4%E9%A4%A4%A4%E8 を毎年発表していますが、ちょっと前は単発作品を、その前は時代劇3部作を撮っていました。
主演は吉永小百合、近作は 「北の桜守」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15426419.html でしたね。 大変つらく悲しいお話でした。
そして笑福亭鶴瓶、山田作品、そして吉永小百合出演作は結構出ていますね。 そのほかの作品は 「後妻業の女」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14388319.html にも出演していました。

物語は、トラブルメーカーの弟を持った姉の苦労を描いたお話です。 どうやら3人兄弟の末っ子の鉄郎、しかし上ふたりとは全く違う育ち方をしてしまいました。 おそらく学もなく粗野で、特に酒癖がめっぽう悪い。 そうなると鼻つまみ者になってしまうんですね。
音信不通でしたが、いきなり姪っ子の結婚式に現れ、大騒動を起こしてしまいます。そしてそんな不吉な結婚式を上げた姪の小春は、あっさり離婚をして実家に帰ってきてしまいます。 ただ、見る目がなかったのか、冷たい夫でしたが。
忘れた頃にふらりとやってくる、そうこれは寅さんなんですね。 的屋の寅さんに対して、鉄郎は場末の役者というところですが、自称役者というほどのもんかもしれません。
監督はシリーズにはする気はなかったようですね。 あっさり殺してしまいますが、こういう不器用な生き方しかできないそんな悲しさが漂う作品でした。

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吟子と小春

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小春の結婚式に現れた鉄郎

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めちゃくちゃにした鉄郎

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そして小春はもどってきてしまう

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しかし売れない役者の鉄郎は問題ばかり起こしてしまう

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しかし・・・

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