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友罪

2018年作品、瀬々敬久監督、生田斗真 瑛太 佐藤浩市 夏帆出演。

ジャーナリストの夢に破れ、部屋を借りる金も使い果たした益田(生田斗真)は、寮のある町工場で見習いとして働き始める。 益田と同じ日に入った鈴木(瑛太)は、自分のことを一切語らず、他人との交流を拒んでいた。 そんな鈴木のことを不審に思った寮の先輩・清水(奥野瑛太)と内海(飯田芳)は益田を強制的に連れ、鈴木の部屋をガサ入れする。 そこで益田は女性の裸婦像が書かれたスケッチブックを見つける。
工場からの帰り道、鈴木は男に追いかけられている女・美代子(夏帆)を庇う形になり、男から一方的に殴られる。 彼女は元恋人の達也(忍成修吾)に唆されAVに出演した過去を持ち、達也と別れてからも執拗につきまとわれていた。 鈴木は美代子のマンションで、けがの手当てを受ける。
数日後、慣れない肉体労働に疲れ果てた益田は、めまいを起こして機械で指を切断。 だが、鈴木の冷静な対処と、病院まで運んでくれたタクシードライバー・山内(佐藤浩市)のアドバイスのおかげで、何とか益田の指は繋がるのだった。
夜勤明け、義父が亡くなり、妻の智子(西田尚美)の実家へ駆けつける山内だったが、妻と会うのは10年ぶりだった。 息子・正人(石田法嗣)が交通事故を起こして人の命を奪った罪を償うために、家族を “解散” したのだ。 しかし、正人が結婚しようとしていると聞いた山内は、怒りと当惑で言葉を失う。
入院中の益田のもとに、元恋人で雑誌記者の清美(山本美月)が見舞いに訪れる。清美は埼玉で起きた児童殺人事件の記事で行き詰っていると打ち明け、17年前の連続殺傷事件の犯人・青柳健太郎の再犯だという噂について意見を求める。 だが、益田はジャーナリスト時代に自身の記事に因って招いた暗い過去を思い起こし拒絶する。
数週間後、カラオケパブで清水や内海、鈴木が益田の退院祝いをしてくれる。 鈴木の傍らには、美代子もいた。 寮に戻った益田がスマホを見ると、清美から再度意見を求めるラインが届いていた。 ため息をつきながらもパソコンを開き、事件について検索した益田は、当時14歳だった犯人・青柳健太郎の顔写真を見て、息をのむ。 そこには鈴木によく似た少年の姿が写っていた。
まさかと更に検索し、医療少年院で青柳の担当だった白石(富田靖子)の写真を見て固まる益田。 それは、鈴木のスケッチブックに描かれていたあの女性であった…

この作品、やっぱりあの事件をベースにして書かれている気がしますね。
監督は瀬々敬久、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15308568.html から一転して直球で問題を取り上げる深い作品でした。 脚本も兼ねています。
主演は生田斗真、近作は 「彼らが本気で編むときは、」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14770127.html となりますが、彼はジャニーズの中で歌をやらず役者一本で勝負しています。 いいですね!
そして瑛太、「光」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15264365.html ではゲスな役でしたね。 今作は似た雰囲気ですが、ちょっと違います。

物語は、少年の時に二人の自動を殺した青年と、彼を記者時代に調べた青年、そしてどうしようもない男に付狙われている女子、そして息子が無免許事故で3人の命を奪ってしまった父親とその家族、どの人間も、思い十字架を背負って生きているんですね。 そしてその周りも、決して普通の人ではなく、それぞれに何かを抱えていることが想像されます。
始め益田は、一緒に入った “鈴木” が彼とは気がつきませんでした。 周りと溶け込もうとせず、すぐに嫌われ者となっていく鈴木、しかし彼はどうしても、周りと一緒に彼をハブろうとはできません。 それは益田にある過去があるから、すずきは益田のある一言から、罹れ友達と認識していきます。 しかし、彼が本当は誰であるかを知ってしまうんですね。
これは、あの事件が元になっているとしか思えません。 少年A、少年法で、今も生きている凶悪犯罪を起こした人間は、一生十字架を背負っていかざるを得ません。救いは、この “鈴木” はもう二度と人を殺さないと決めていること。 どんなに苛められても、殴られても、決してやり返しません。 まあ彼に襲いかかってくる人間はゲスなやからばかりですが、それでも彼はやられるがまま、却って笑っています。
罪を憎んで人を憎まず、人間はそんなに理性的にはなれないんでしょう。

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鈴木は他の馴染まない男

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そして同じ時に入った元ジャーナリスト

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恋人だった彼女はアドバイスを求めに来る

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息子が事故で人をあやめてしまい、家族を解散した男

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鈴木に会いに来た“先生”

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