anttiorbの映画、映像の世界

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ナチュラルウーマン

2017年作品、セバスティアン・レリオ監督、ダニエラ・ヴェガ フランシスコ・レジェス ルイス・ニェッコ アリン・クーペンヘイム出演。

オルランド(ランシスコ・レジェス)はサウナに寄った後、封筒をどこにおいたのかがわからなくなっていた。 白い封筒を失くしてしまい、仕方なくそのまま酒場に行く。酒場で歌っているボーカル・マリーナ(ダニエラ・ヴェガ)と目配せをする。 “彼女” は恋人であり、オルランドは彼女の誕生日を祝うために今日を楽しみにしていたし、彼女もそれを喜んでいた。 マリーナは歌手志望のウェイトレス。 オルランドはマリーナよりも30歳以上年が離れた印刷会社の経営者だった。
その日、二人は食事の後ベッドを共にし、眠りにつく。 しかし深夜、オルランドに異変が起きる。 体の不調を訴えたオルランド、マリーナは、愛犬の準備をして、病院に向かおうとするが、体のいう事が効かないオルランドは待っている間に階段から落ちてしまう。
オルランドは、病院に着く直前に意識不明となってしまう。 マリーナは緊急手術室に搬送されたオルランドの元へ向かうが、彼女が連絡したのは、弟のガボ(ルイス・ニャッコ)で、すぐに駆けつけてくれた。
そして二人のことも知っていたし、彼の家族に連絡を取ってくれる。 オルランドとマリーナは不倫関係にあり、マリーナはトランスジェンダーだった。 家族に知らせると聞いたマリーナは、つい病院からいったん姿を消してしまう。  マリーナは最愛の人の死に悼むより先に、疑いの目で見られてしまう事が嫌だったのか?。
しかし病院から離れたことと、階段から落ちた時の傷を不審に見られることになってしまうマリーナ。 医者とオーランドの親類はマリーナを信用していなかったのだ。
翌日も仕事に出るマリーナだったが、そこに警察の女性がやってくる。 疑いを晴らすためと言いながら、しつこく出頭を促すが、店の店長が上手く追い払ってくれる。
二人が住んでいたアパートにやってきたのは、オルランドの息子・ブルーノ(ニコラス・サベドラ)だった。 明らかに変な物を見るような露骨な態度を見せる彼は、早くここを出て行ってほしいと強くマリーナに言い寄る。
さらにオーランドの前妻のソニア(アリン・クーベンハイム)はマリーナが葬式に出るのを拒む。 極力感情を殺しながら、やっぱり彼女は、早く家から出て行ってほしいと言い、なによりもまだ幼い娘に対して、マリーナを見せないことを強く強要するソニアだった。
マリーナの闘いが始まっていく・・・

LGBTの作品が多くなっていくというのは、これが現代社会では、世界中で避けては通れないからでしょう。
監督はセバスティアン・レリオ、過去作もあるようですが、日本では初めて紹介されるんでしょうか。
主演はダニエラ・ヴェガ、いやー凄い役者さんですね。 オスカーでのスピーチもよかった!
亡くなってしまうオルランド役はフランシスコ・レジェス、「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15234527.html に出演してたようです。

物語は、離婚してマリーナと同棲を始めたオルランドという印刷会社の社長の死から、大きな差別、罵りを受けるトランスジェンダーのマリーナのお話です。 素晴らしい歌声を聞かせる彼女、ウエイトレスとして働く彼女は、店の店長の信頼も厚く、自立した存在なんです。
しかし恋人の死から、今まで確立してきた彼女の世界にたいして大きな風が吹きはじめるんですね。 オルランドは、彼女を大切に思っていました。 それは誕生日のお祝いのシーンでよくわかりますし、おそらくほどなく彼女との生活も、しっかり正式な形にするつもりだったんでしょうね。
妻と別れ、劇中に遭ったセリフで、彼女は女性への変更手続きの最中だったようです。 戸籍上は別の名前なことも明かされます。 体はまだ男性なんですが、おそらく体も女性にするという事も読み取れますが、実は現状の男性の体が後半役に立つシーンがあるんですね。 この表現がなかなか上手いんですが。
予告編を見た時、私はマリーナが女性だと素直に受け入れていました。 前情報なしにこの作品を観たら、自然にちょっと大柄な女性だと思っていたでしょうね。 そこまで自然なんですね。 心は根っからの女性だという事で、実際演じているダニエラはまさにそうだという事らしいです。
愛する人を失い、彼女はこのあと一人で生きていく。 マリーナの新しい人生開始のお話ですね。

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歌手で、昼間はウエイトレスをしているマリーナ

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この日は彼女の誕生日だった

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オルランドと二人で祝うが

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しかし彼が急死してしまう

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オルランドの家族からは激しい嫌悪を受ける

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オルランド亡き今、歌の先生が理解者だった

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彼女に強烈な逆風が吹き始める

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