anttiorbの映画、映像の世界

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彼女が目覚めるその日まで


ニューヨーク・ポスト紙に勤める21歳の若手記者スザンナ・キャハラン(クロエ・グレース・モレッツ)は、いつか一面を飾るとの夢を掲げ仕事に励んでいる。 彼女はここで働くことを夢見ていて、見事それがかなったのだった。 プライベート面でもミュージシャンの恋人スティーヴン(トーマス・マン)との交際を始め、公私ともに順調だった。
そんな中、父(リチャード・アーミティッジ)と母(キャリー=アン・モス)が、バースデイ・パーティを開いてくれる。 二人は離婚していたが、娘のスザンナを通して良好な関係を築いていた。 それぞれのパートナーとスティーヴンに囲まれて、ケーキのキャンドルを吹き消そうとした時、スザンナは初めて体調の異変を感じる。 皆の声が遠のき、めまいを覚えたのだ。
デスクのリチャード(タイラー・ペリー)から、スキャンダルを抱えた上院議員のインタビューという大きな記事を任されるスザンナ。 彼女の才能を認める先輩記者のマーゴ(ジェニー・スレイト)からの後押しもあっての大抜擢だった。
ところが、スザンナの体調は、日に日に悪化していく。 視界が揺れ、会話も聞き取れず、夜も眠れなくなり、締め切りを破るだけでなく綴りや文法までミスしてしまう。 やがて手足が麻痺するようになり、病院で診察を受けるが、検査結果はすべて異常なしだった。
遂にスザンナは、取り返しのつかない失敗を犯す。 上院議員のインタビューの席で、スキャンダルに引っ掛けた下品なジョークで彼を侮辱したのだ。 リチャードから激しく叱責されるが、なぜそんな言葉が口から出たのか、スザンナ自身にも分からなかった。
そしてとうとう、激しい痙攣の発作を起こすようになるスザンナ。 両親に付き添われて精密検査を受けるが、やはり異常はない。 そうこうするうちに、劇的な幸福感に包まれてはしゃいだかと思うと、その直後には深い絶望感と被害妄想が沸き起こって周囲の人々を罵倒するようになり、会社の上司はもちろん、両親さえも手に負えなくなってしまう。
何度検査を受けても、医師たちは 「異常なし」 と繰り返し、精神の病だと決めつける。 必ず原因を究明すると決意した両親と、「絶対に治るから、一緒に頑張ろう」 と誓ったスティーヴンが支え続けるが、次第にスザンナは手足が動かなくなり、全身が硬直し、口さえきけなくなってしまう。
あと3日間の観察で変化がなければ、精神科へ転院させると宣告する医師たち。 期限が迫るなか、その中の一人の医師・カーン(アガム・ダーシ)がスティーヴンの“ある言葉” に突き動かされるのだが・・・

先日見た「8年越しの花嫁 奇跡の実話」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15308568.html と似ているなあと思ったこの作品、病名は “抗NMDA受容体抗体脳炎” という奇病なんですね。
「8年越し~」では、脳に対する抗体の侵攻という表現でさらっと触れていましたし、意識がなくなり眠っている状態が長かった邦画に比べ、今作はまず原因追及の苦労が描かれていましたね。
監督はジェラルド・バレット、監督3作目でしょうか、日本初公開の作品となりました。
主演はクロエ・グレース・モレッツ、近作は 「フィフス・ウェイブ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14085629.html 「アクトレス ~女たちの舞台~」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13591964.html です。

今作は、彼女が突然陥った謎の症状から、その恐怖と原因追求、さらに家族の愛情と苦悩、そして最後の最後に医師の執念が描かれています。 まあそれだけ、この病気は厄介で、なかなかわからないということなんでしょうね。
MRIも血液検査も異常なし。 頭脳も行動もしっかりしているし、発症直後は、自分の症状を冷静に分析さえしているんですから。
ちょっとネタバレですが、「8年越し~」 では、主人公の麻衣は、ある部分に腫瘍が出来ているんですね。 そのために体に抗体ができて、脳を攻撃し始めるという、ある意味防衛本能が引き起こす病気になっていくことが説明されています。
今作ではそこの部分はふれていませんが、まず症状から分析していく手法となっています。 そして今作のほうが、初期での治療が開始され、意識不明の重篤までには至らず、復帰は早かったですね。
いずれにしても怖い病気、あの 「エクソシスト」 も、実はこの病気の症状を描いた作品とさえ言われていますからね。

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憧れの職場、先輩のマーゴも期待していた

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誕生パーティー

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ティーブンとの付き合いも順調

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しかし異変が襲ってくる

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苦悩する両親

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万策尽きたかに思われた時、この医師が現れる

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