anttiorbの映画、映像の世界

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ビジランテ


閉鎖的な地方都市。 川の中に入り必死に逃げている3人の少年がいた。 一郎、二朗、三郎、3人をものすごい形相で追っているのは、父親の神藤武雄(菅田俊)で、二郎と三郎は川でつかまってしまうが、一郎は向こう岸まで何とか渡り、持っていたものをすかさず埋める。 そこに父が追いつき、石で顔に大きな傷をつけられ家に連れ戻される。
父は息子から刺されたのだが、誰が刺したかを聞くが誰も答えない。 しかし一瞬の隙に、一郎が家を飛び出してしまう。 二郎と三郎が必死に叫ぶが、一郎はそれっきり戻ってこなかった。
武雄は地元では有名な名士で、市議会議員を務めていた。 そしてその地盤は次男・二郎(鈴木浩介)が継いでいる。 妻の美希(篠田麻里子)と息子の3人家族だったが、武雄が亡くなり、地元の有力議員の岸公介(嶋田久作)が葬儀にやってくる。
彼は葬儀の最中に、二郎にある依頼をするのだった。 それは再開発の土地の一部が新藤家の土地となっており、そこがないと再開発が進まないということだった。デリヘルの雇われ店長の三男・三郎(桐谷健太)と話し合うことになる二郎だったが、三郎の仕事を美希はよく思っていなく、露骨な態度を取る。
二郎は三郎を説得すればいいということだったが、実家に家出をしたはずの一郎(大森南朋)が戻ってきていた。 一瞬、亡き父と見間違うほど、荒れて居丈高な感じに変貌している一郎に二郎は衝撃を受ける。
いったいどこで父の死を知ったのか? そしていきなりかえってきた理由とは?
そして一郎は、「財産はすべて自分が相続する」 と言い始めるのだった。 そして彼は公正証書=遺言を持っているのだった。 どうやら本物らしく、これで簡単には土地が手にはいらないことになるのだった。
別々の道、世界を生きていた3人であったが、父親の死をきっかけに、深く刻まれた逃れられない三兄弟の運命は再び交錯し、欲望や野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へと向かっていく…

主演は3人の兄弟、大森南朋が長男、近作は 「アウトレイジ 最終章」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15182246.html 次男が鈴木浩介、「それでもボクはやってない」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11274363.html に出演しています。 三男は桐谷健太、「火花」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15256645.html が最新作です。
そして何より、篠田麻里子が良い演技ですね。 ひいき目無しで、今までで最高の演技でしたし、はまり役でした。 「テラフォーマーズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14106983.html 「リアル鬼ごっこ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13258754.html に出演していますが、今作が一番!

物語は、複雑な環境で育った3兄弟のお話です。 いきなりの3少年の逃亡シーンから始りますが、これはあくまでもプロローグ。 地方都市を出た長男と、残された二人の兄弟、そしてそれぞれの染み付いた暮らし、しかし3人に暗くのしかかっているのは鬼のような父親なんですね。
外面はよかったかもしれませんが、おそらく新藤家は毎日が修羅場だったことでしょうね。 しかし地盤を継いだ次男に、自身の出世をかぶせていく嫁、そして地元にいるが、家を出てヤクザにケツ持ちをしてもらい風俗をしている三男、そこに長男が遺産相続でかえってくるんですが、どうやら大きな借金を負い、会社を潰しているらしいんですね。 しかし、ただ遺産を独り占めにするのではなく、何かにこだわっている感じがだんだん見えて生きます。
これはなかなか人間の醜さ、貪欲さ、だけでなく、今の地方土地の実態、そして外国人の移民問題まで描かれています。
ある意味日本の縮図がこういうところにもあるようなそんな作品でした。

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父の地盤を継いだ次郎、青年団で夜回り

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そしてヤクザの下で風俗をしている三郎

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父が死に、一郎が帰ってくる

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二郎には出世欲の塊の妻がいた

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一郎は父の遺言の公正証書を持っていた

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