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交渉人 真下正義

2005年作品、本広克行監督、ユースケ・サンタマリア主演。

クリスマスイブのある日、ある東京の地下鉄の司令塔では、混雑でダイヤが遅れていたため混乱していた。 少しでもダイヤ通りに電車を動かそうと地下鉄職員が躍起になっていた。 司令塔室の全面には地下鉄の路線図が大きくモニター表示され、今どの電車がどの地点にいるのかが一目で分かるようになっている。
地下鉄職員の責任者である片岡(國村隼)は、その路線図のモニターから 「クモ」 と呼ばれる不審な列車を確認する。 「クモ」 は混雑した地下鉄の路線を動き回り、他の列車の車両と衝突しそうになっていた。
一方警視庁で交渉人として働く真下(ユースケ・サンタマリア)は、このクリスマスイブこそ、恋人の雪乃(水野美紀)にプロポーズしようと指輪を用意していた。 そんな彼の元に地下鉄での事件の一方が入ってきた。 真下は上司から現場へ急行するように言われてしまうのだった。
地下鉄の司令塔室には、「クモ」 に爆弾を積んでいるという脅迫電話があった。 真下はその犯人と交渉するため、司令塔室に向かうが、地下鉄職員は真下のことを歓迎してくれなかった。 “交渉人” という日本初の存在となった真下に、みんな否定的な目を向けていたのだった。
さらに、地下鉄の職員は部外者が入るのを嫌っているようだった。 片岡も例外ではない。 協力が得られないまま、真下は犯人と交渉することになる。 交渉中も 「クモ」 は他の車両に幾度となく衝突しそうになり、現場は緊迫する。
電話ごしの相手は上から目線で脅迫してくるが、真下は相手がプライドのある、自分の犯行に悦に入っている人物だと見極めて、慎重に交渉していくのだった。 真下は犯人は一人ではなくグループであること、なぜか自分たちの様子をこと細かに観察している様子から、犯人グループが近くにいるのではないかと推測する。
そしてなにかと現場に、宅急便の配達にくる黒のカエル便のことが気にかかるのだった・・・

この作品は好きなんですよね。 もちろんこの作品はあの作品のスピンオフですが。
監督は本広克行、「亜人」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15170685.html が新作ですが、さらに新作が公開されますね。
主演はユースケ・サンタマリア、この元シリーズの 「踊る大捜査線」 のレギュラーですが、もちろん他の作品にもいい存在感を見せる俳優ですね。 謎の存在として90年代にテレビに出始め、俳優としての光る一面を見せています。 今作はそんな彼の主役作品ですね。
物語は、謎の犯人と、クリスマスイブに交渉をして、大惨事を未然に防ごうとする物語。 元シリーズの主要キャラは出ませんが、多くのシリーズの登場人物は少しずつ出演していきます。
しかし今作が私が好きなのは、言うまでもなく地下鉄の謎のひとつの “脇線” を取り上げた点ですね。 
脇線って?ご存知ですか。 まあ、平たく言えば連絡線、短絡線ですが、東京の地下鉄には多くの明かされていない (わざとかどうかはさておいて) こういう接続がある。 もちろん有名な連絡線はあるんですが、そんなもんじゃない数多くの脇船が明かされ、その地図まで公表されるという画期的な作品なんですね。 もちろんこれが本当の脇線地図ではないでしょうが、実にリアルなんですね。
そしてもうひとつ、なかなか実現しないフリーゲイジトレイン=軌間可変電車ですね。作品中の 「クモ」 がそうで、実験レベルでは走っていますが、なかなか旅客では実現していません。 これが普通に走れば、なかなか画期的なことなんですがね。
鉄ちゃん必見の作品ということと、東京の地下の都市伝説マニアにも、なかなか受ける貴重な作品でした。

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クリスマスの夜、事件は起こった

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「クモ」が乗っ取られた

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犯人からの電話を受ける交渉人:真下

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必死の探索をしながら

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狙撃班も待機

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線引屋も出動

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木島も地上を捜査

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