anttiorbの映画、映像の世界

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シェル・コレクター

2016年作品、坪田義史監督、リリー・フランキー主演。

盲目ながら世界的に権威ある貝類学者(リリー・フランキー)は、5年程前に沖縄の離島にやって来た。 静かで自然豊かな島にシェルターのような小屋を設け、虚無感を感じながらひとり暮らしていた。 水や荷物は船乗りの清吉(新垣正弘)に依頼し、小舟で運搬してもらっているが、学者は息子・光(池松荘)からの手紙さえ読んでいなかった。
学者は貝を採取しては茹でて中身を丁寧に取り出し、美しい標本を作るための作業をする毎日。 採取した貝を食することはなかった。 貝は沈んだ人間の死体を食べるからだというのだった。
巷では手足が痺れたのち全身麻痺を引き起こし、重篤化すると死に至るという謎の奇病が流行しており、ラジオの声はそれを淡々と伝えている。
ある日学者は波打ち際に倒れていた不思議な雰囲気の女性を助け、自室のベッドで寝かせた。 その女・山岡(寺島しのぶ)も奇病により、右手が麻痺を起していた。現実から逃げてきた山岡は、目覚めてからも学者の部屋に滞在することになった。
外出していた学者が部屋に戻ると、山岡が倒れていた。 散らかった水槽や山岡の手の傷に触れた学者は、イモガイに刺されたと気付く。 イモガイは強い神経毒を持っており、それは人をも死に至らしめるほどの恐ろしい貝なのだった。
驚くことに、意識を取り戻した山岡の右手の麻痺や傷が消えていた。 感激した山岡は生まれ変わったのだと喜び喚き、部屋の壁に貝の螺旋模様を描きはじめる。 彼女は画家だったのだ。
すっかり居ついた山岡は部屋の中を自分仕様にしたうえに、もう一度イモガイに刺されたいと学者に懇願してくる。 手に負えなくなった学者は、「私を巻き込むな」 と部屋から逃げると、結局山岡は清吉の船で島を後にするのだった。
ところが今度は、清吉から話を聞いた弓場(普久原明)という男が取り巻きを従え、学者の小屋に上がり込んできた。 弓場は娘を治療してもらうため、学者を脅して自分の屋敷に連れて行くのだった…

監督は坪田義史、劇場公開2作目の作品ですね。 主演はリリー・フランキー、もう売れっ子タレントであり、俳優になってしまいましたね。 「美しい星」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14943521.html で主演でした。
さて物語は、盲目の貝類学者、名前は語られなく、周囲からは、特に奇病を直してからは “先生” と誰もが呼ぶようになっていきます。 直したというのは変かもしれませんね。 たまたまイモガイに山岡という画家の女性が刺されて、麻痺していた手が治ったことから彼のことが知れ渡るんですね。
医者でもないただの世捨て人だったこの男のところに、瀕死の娘を助けてほしいという有力者が現れて、自分の娘も救えと脅しにかかる、そんなお話が進んでいきます。
全編沖縄ロケで進んでいくんですが、画作りはなんとも幻想的で作られています。 またそれ以上に、リリー演じる貝類学者の男が、孤独で暗いんですね。 中盤に息子の光が登場しますが、彼からも逃げているそんな雰囲気なんですね。
これはなんとも言い表しにくい作品、またリリー・フランキーがどうしてこの作品のオファーを受けたのかも正直理解しづらい作品でしたが。

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たった一人で暮らしている学者

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そこに流れ着いた一人の女

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彼女は奇病にかかっていたが、イモガイで治癒してしまう

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息子が尋ねてくる

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そして同じようにイモガイで蘇生した娘

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