anttiorbの映画、映像の世界

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顔のないヒトラーたち

2014年作品、ジュリオ・リッチャレッリ監督、アレクサンダー・フェ―リング主演。

時は’50年代後半の西ドイツ。 ある学校の前を通ったシモン(ヨハネス・クリシュ)は、門の前にいた男を見て悪寒が走った。 男はシモンを見てにやりと笑うのだった。
ニュルンベルグ裁判で、戦犯は戦勝国により裁かれ、経済復興の波に乗った国は、多くの人々が戦争の記憶や犯した罪を忘れようとしていた。
駆け出しの検事・ヨハン(アレクサンダー・ゲーリング)の元に、ジャーナリストのグニルカ(アンドレ・シマンスキ)が、アウシュビッツ強制収容所で親衛隊だった男が、規則に反してある学校の教師をしている情報持ってきた。
ナチスの親衛隊(SS)で、虐殺行為に携わった者は公職につけないばかりか、刑に服する必要がある。 だが、ヨハンは、この一件を暴こうとすると上司に抗議をすると、彼はそれは大変なことですぐにその男を学校から排除すると言う。
グニルカに、その件を報告しに行くと、彼はヨハンに対して、そんなに簡単に事は進まない、そして親衛隊だった男はいまだに学校に勤めていると言う。 ヨハンはそんな事があるはずがないと思い調べると元親衛隊の男は全く同じように働いていた。上司にその件を報告に行くと、「ただでさえ人が不足知っている現在、簡単に人を削ることはできないし、お前がこの一件に携わるのは父親を犯罪人として告訴するようなものだ」 と釘を刺される。
どうしても納得いかない彼は、検事総長のバウワー(ゲルト・フォス)に話を通すと、バウワーは、戦争を知らない世代こそ、この一件は捜査する目を持っていると、後押しをされる。
ヨハンは、グニルカとともに、強制収容所を生き延びだユダヤ人シモンに会いに行き、不当に公職についているナチの戦犯排除をするために協力をしてほしいと訴えるが、彼は協力はできないし無駄なことだと、何かを恐れるように言うだけだった。
しかしヨハンは、膨大な資料の中から、普通に生活を送っているであろう元親衛隊員を探し出し検挙していく決心をする。
しかしそれは困難を極めた作業であり、挑戦だった…

原題は 「IM LABYRINTH DES SCHWEIGENS/LABYRINTH OF LIES」 英題を直訳すると、「嘘の迷宮」 とでも言いますか、これは的を得た感じですね。
第2次大戦が終わって、日本は占領下にあり、A級戦犯だけでなく、B級、C級まで徹底的に抉られた日本と違い、“ナチ” “親衛隊” の主だったところまでしか、戦犯に問われなかったことがまず驚きですね。
監督はジュリオ・リッチャレッリ、これが長編デビュー作となります。 主演はアレクサンダー・フェ―リング、彼の名が知れたのはタランティーノ監督の 「イングロリアス・バスターズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6909841.html でのウィルヘルム曹長をしてからですね。
物語は、公職に着けないはずの戦犯を正そうとする正義感からのヨハンの行動がきっかけでしたが、実はこの問題は大変根深い問題でした。 
ナチにかかわっていた人間は8000人いるんですね。 膨大な資料をチェックしに行き、ヨハンは自分が成そうとしていることがいかに大きなことなのかを痛感するんですが、実際強制収容所にいた、生き残りの人の話を聞き始め、しかしこの作業をしなければならないと、逆に大きな使命感を持って行きもするんですね。
「いつ、どこで、、なにをされたのか?」 そういう質問自体がナンセンスなんですね。強制収容所に連れて行かれた人間たちには、そんな感覚さえも持つことはできない、もう初めから一つ一つ聞いて行かないととてもじゃなきけど全容はわかりません。 でもその生存者の体験は凄く辛い、過酷な体験でした。
同じ敗戦国でも、“ナチの仕業” としてすべてに蓋をしようとしたドイツでしたが、彼らの行動で、まずはそのナチの行いを戦後の時刻から検証しようという気概を持ったことは称賛に値します。
日本は全く逆で、戦勝国から、とことんやり込められ自虐的になっていく、敗戦国でもこうも違う歴史という事なんですね。

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ナチの残党が職に就いていると進言するヨハン

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しかしその教師は排除されず二人はシモンに協力を仰ぎに行く

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そして膨大な資料を検証し

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強制収容所の状況を確認し始める

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それはあまりにも過酷な話、思わず部屋にいられなくなる

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そんな中マレーネと出会うヨハン

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