anttiorbの映画、映像の世界

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ドローン・オブ・ウォー


2001年の9.11以降 アメリカ政府はテロリストの一掃するためドローンの研究が軍事分野で着々と進められてきた。 イラクアフガニスタン無人戦闘機を投入し、アメリカ国内から遠隔操作するため、操縦士に危険が及ばない。 それは戦争のあり方を根底から変えてしまったと同時に多くの問題も生み出したのだった。
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、ラスベガスの基地に設置されたコンテナ内で無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国でのミッションを遂行している。 クリックひとつでミサイルを発射する爆撃は、まるでゲームのように現実感が欠落していた。
トミーは一日の任務を終えると、車でラスベガスの歓楽街を通り抜けて、整然と区画された住宅街のマイホームへ帰る。 そこには、美しい妻モリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)とふたりの幼い子供との生活がある。 これが彼の日常であり、異常な現代の戦争の姿だった。
戦闘機パイロットだったトミーは、命の危険は無いが戦っている実感が伴わない任務や基地と自宅を日帰りで往復する日常に拭い切れない違和感を抱いていたが、彼の操縦の腕を買っている上司のジョンズ中佐(ブルース・グリーンウッド)の意向もあって異動願いは中々受理されず、新たに配属された女性操縦士スアレスゾーイ・クラヴィッツ)のCIAが主導する対アルカイダ極秘作戦への異議の言葉も加わって、次第に彼は精神的に追い詰められていくようになる・・・

ドローンを使って遠隔操作での攻撃は、今年の最初に 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14643863.html」  でも描かれていましたね。 まさにあの作品で実際に攻撃していたアーロン・ポール演じるティーブ・ワッツが本作の主人公にあたります。
物語はドローンを扱った近代戦争のお話ですね。 遠くに居ながらほぼピンポイントで攻撃ができるドローン兵器、基地内の一室でテロリストを一掃できる恐るべき兵器、このシーンはこれも今年公開の 「スンーデン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14720000.html でも、爆破に驚喜するところが描かれていました。
確かに兵士を失わず、ターゲットを消去できる、お金がかかることがちらっと触れられていましたが、兵士という人材を失わないのは、メリットなんでしょうね。しかし今作の主人公のように、だんだん心を病んで行ったり、逆にのめり込んでゲームのように現実感を伴わずどんどん突き進んで行ったり、実際に巻き込まれて死んでいく民間人、本当にテロリストだけを殺しているのか? いったい誰がその判断を下しているのか? その判断基準とは?
そもそもこの泥沼の戦争の原因とは? そこまでどんどん思いが巡る作品ですね。
最終的に主人公はこの仕事から離れて行きますが、最後にどうしても彼が決着をつけたかったことが、なんとも彼らしいけじめでした。 このドローン技術が今民間に降りてきて、様々な分野で活用され始められていますが、結局最初は人殺しの技術が出発点という、人間の歴史の一部が、やるせないところ。

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戦闘機パイロットだったトミー

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しかし心的ストレスが大きいトミー

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今はドローンを操作している

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そしてピンポイント攻撃が可能となっている

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近代戦争ががらりと変わってきた

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