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LION/ライオン ~25年目のただいま~

2016年作品、ガース・デイヴィス監督、デーヴ・パテール、サニー・パワール主演。

1986年、インドのスラム街。 5歳のサルー(サニー・パワール)は、幼いながら、貧しい母・カムラ(プリヤンカ・ボース)を助けようと、兄のグドゥ (アビシェーク・バラト)と石炭を盗んだり、母の石ひろいを手伝ったり毎日必死に生きていた。 幼い妹の子守りもしなくてはならない時もあるが、ある夜、グドゥが仕事を見つけに、一人で行こうとしていた時にサルーもどうしても兄と一緒に行くと言ってきかない。
仕方が無くサルーを連れて行くグドゥだったが、汽車に揺られてサルーは寝てしまう。 多くの人が降りた駅で、サルーは眠くて起きられない。 困ったグドゥは彼をベンチに寝かせて、待っているようにと言って行ってしまう。
気が付くと、夜も更け、サルーはたった一人だった。 兄を呼んでも返事がない。焦ったサルーは無人の列車に乗り、兄を探すが、疲れて荷台でまた寝てしまう。 そして目が覚めると、列車は回送となり走り出していた。
途中停車したときに給水塔が見えたが、ドアや窓は固く締まっており、外に出ることができない。 そして列車はどんどん進み、遠くの知らない駅に到着するのだった。
サルーは、周りの人に自分のいた土地の名前を出すが、誰一人反応はない。 そして行き場を失った子供たちのいるガード下に潜り込むが、そこでも追われ、さらに優しく近づいてきた男女に身の危険を感じたサルーはそこも逃げ出し、とうとう多くの親のいない子供たちの施設の収容されてしまう。
サルーは、一応写真を撮られ、新聞での親探しをしてもらうが、まったく反応はなかった。 そこでサルーは、子供のいない親に養子縁組をする仕事をしている ミセス・スード (ディープティ・ナヴァル)に諭され、新しい両親のもとに行くことを説得される。
オーストラリアへ付き添いの女性と向かうサルーを待っていたのは、養父母のジョン(デヴィッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)だった。 片言の英語しかまだわからないサルーだったが、素直でここで生きて行こうと幼いながら決心した彼は、どんどん二人に馴染んでいくのだった。
しかしスーとジョンは、さらに新たに養子を迎える。 それが彼より年上のマントッシュ(ケシャブ・ジャハブ)だったが、彼は情緒が一定しない少年だった。
そしてサルーはすくすくと育ち、なに不自由なく大学に進むのだった…

サルーが、養子となりオーストラリアに行くまでが、まず大きなドラマシーンでしたね。
監督はガース・デイヴィス、次作もルーニー・マーラ出演作があるようで、今作が長編初監督となります。 主演のサルーには、5歳の時がサニー・パワール、そして青年期がデーヴ・パテル、「チャッピー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13082686.html に出演していましたね。 若き技術者で重要なキーマンでした。
そしてルーニー・マーラ、「キャロル」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13904507.html での彼女は綺麗で可愛かった。
またニコール・キッドマンの演技が光りましたね。 サルーを招いた時と、成人したときのギャップがなかなか見せどころでしたし、このスーという義母の考えがまた泣けるんですね。 実際の映像はエンドロールで流れますが、感激のシーンでした。
どうして実母は名乗り上げてくれなかったのか? それは実母のカムラが文盲だったという事で、あまりにも貧しい村だったという事もあるようですね。 さらに幼いサルーは、自分の住んでいた村をよくわかっていなかった。
一旦は諦めた生まれ故郷に対する思いが、大学に入学後、クラスメートから言われた或ることをきっかけとして、彼の心にどんどん大きな部分を占めて行くんですね。
映画としてはここからが多少長く感じますが、それだけ彼が頭がよく、今の両親に対する感謝が深いと私は解釈しました。 これはしっかりエンドロール後も見てほしい。兄のグドゥがどうなったのかが大変悲しい事なんですが、実話でもあり、こういう奇跡が起きるのが世の中なんでしょうね。

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貧しいながら元気なサルー

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しかし迷子となり新しい養父母の元へ

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養母のスーは優しかった

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青年になったサルーは恋人が出来る

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しかし故郷のことを思う気持ちが強くなっていく

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