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雪女

2016年作品、杉野希妃監督、主演。

ある時代、ある山の奥深い吹雪の夜。 猟師の巳之吉(青木崇高)は、仲間の茂作(佐野史郎)は必死の思いで、ある山小屋にたどり着いた。 体が冷たくなった茂作をさすって温めその晩二人はその山小屋で一晩凌ぐことになった。
夜遅く、巳之吉がふと横を見ると、真っ白い女(杉野希妃)が茂作の命を奪う現場を目撃してしまう。 恐怖のため口がきけない巳之吉。 そしてその真っ白い女は 「お前はまだ若いので生かしておくが、このことを口外したら、お前の命を奪う」 と言い残して姿を消していくのだった。
翌年、茂作の一周忌法要を、茂作が亡くなった山小屋に供養しに、甥の源太(山本剛史)と行った帰り道、巳之吉は、美しい女ユキ(杉野希妃:二役)と出会う。 疲れて動けなくなった彼女を家に連れ帰り、しばらくゆっくりしてもらう事になる。
巳之吉は母のハル(宮崎美子)と二人暮らし。 よそ者のユキに対して母はちょっといぶかしげな表情をはじめは見せるが、すぐにあたたかく迎えるのだった。 そして彼は、ユキに対しいつまでもここに居ても良いと言い、2人は結婚することになった。
巳之吉は結婚を機に山の仕事を辞め、茂作の兄弟の栄作(佐野史郎:二役)の工場で働くことにするのだった。 なかなか慣れない仕事だったが、矢野昌平(森脇和成)が親切に教えてくれる。 最初の子供は流れてしまったが、やっと娘のウメが生まれる。 巳之吉は仲間と飲みに行くこともせずに仕事が終わると真っ直ぐに家に帰るのだった。
それから14年。 美しく聡明な少女に成長したウメ(山口まゆ)は、村の有力者の息子で病弱な幹生(松岡広大)のよき話し相手となっていた。 
幹生は茂作の遠縁だったが、ある日、病弱な幹生は家を抜け出しウメと一緒に川を渡り、山に向かう。 途中彼は疲れて歩けなくなってしまい、茂作が死んだ山小屋で休むことになるのだった。
しかし、その山小屋で幹生が亡くなってしまうのだった。 しかも、幹生の遺体には、茂作と同じような凍傷の跡があった。 巳之吉の脳裏に蘇る14年前の出来事。 
果たして、巳之吉が見たもの は何だったのか? そしてユキは一体何者なのか…

原作は小泉八雲の「雪女」ですね。 有名なお話で、水木しげるも漫画にしていますね。
監督・主演は杉野希妃、彼女は面白い経歴ですね。 中学生のころから女優志望、本当は宝塚に入りたかったみたいですが、韓国で女優デビュー、そこでキム・ギドク監督と出会い、製作者として褒められたとのことです。 まだ33歳、有力な演者、製作者という事ですね。
そして相手役は青木宗高、「日本で一番悪い奴ら」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14252158.html 「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13417381.html と出演していますが、やはりインパクトがあったのは 「るろうに剣心」 それも1作目 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12031756.html ですね。
物語は次代が多少現代寄りになっています。 と言ってもスマホは出てきませんし、山間の農村というところでしょうか? そして巳之吉は “山の仕事” という表現で、猟銃を持っているんで漁師なんでしょうね。
“ばあば” という医者であり産婆である存在で水野久美さんが出演されていますね。 これはちょっとびっくりでした。
テンポの速い作品が多い今の時代の中で、現代風にアレンジした 「雪女」、しかし作り手のなかなか重厚さが伝わってくる秀作でした。 幻想的な表現を現代的に表すところもなかなか上手い感じがしました。
作り手としても、女優としても杉野希妃という存在が楽しみです。

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吹雪の中体力が消耗してしまった二人

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そしてその夜現れた白い女

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そして彼はユキと出会い

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結婚する

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そしてユキは産気づく

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美しく育った娘のウメ

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