anttiorbの映画、映像の世界

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ミツコ感覚

2011年作品、山内ケンジ監督、初音映莉子石橋けい古舘寛治、三浦俊輔出演。

ミツコ(初音映莉子)は、川岸で写真を撮っていた。 それをじっと見つめている小柄な男がいた。 とうとうミツコに話し掛けてきた男は三浦(三浦俊輔)と名乗り、自分は写真雑誌の編集者なので、お話をしたいという。
しかしどうも嘘くさいと感じたミツコは、彼を相手にせず行こうとした時、姉のとエミ(石橋けい)との場所まで行く。 変な男だと三浦を避けようとした時、何かエミはどこかで見たことがあると感じてしまい、三浦は同じ中学だと言いはじめる。 さらにエミの会社の上司の松原(古舘寛治)が現れ、3人は三浦を振り切り家に向かう。
東京郊外の街で暮らす姉妹。 姉のエミはこの町の小さな会社のOL、妹のミツコは写真学校の学生だが就職の道もない状態だった。 松原とエミは不倫中、しかし今回松原の家での離婚がどうやら決まり、決着次第不倫状態から解放されることをミツコを話しに来たのだった。
二人が暮らすのは、標準的で庶民的な一軒家だが、家庭環境は少しいびつである。 家主の父はおらず、更に二人はこの住み慣れた家を近々出て行かざるを得ない。 父は、彼女らが幼い頃に家族を捨てて不倫に走り、別な女性と遠い街で暮らしている。 母はこれを苦に自殺をしていた。 ミツコにとってこの思い出は大きなトラウマとなって、今でも父を許すことができなかった。
しかし、玄関のチャイムが鳴りそこに怪しい男・三浦が再び現れ、口からでまかせをどんどん並べてい座ってしまう。 さらにエミたちが別室に行ったとき、三浦はズボンを脱ぎ、ミツコに迫るのだった。
警察を呼ぼうとするが、やはりそれは思いとどまる二人、三浦を追い出し、ミツコはこのままではダメと思い、街のスナックに勤め始める。
そして後日、また三浦が現れる。 姉(山本裕子)が着いて来てお詫びをしに来たというのだった。 しかしそのお詫びの仕方が、三浦を縛って、布団たたきでひっぱたくというものだった。 そしてその映像を必死に写真に撮りまくるミツコ。 それを見たエミはすぐに止めさせ三浦をかばうのだった。
そしてとうとう松原の妻と会う事になったエミ、しかし約束の日の1日前、彼女が家に現れる…

2011年という震災の年、この作品はそのことにも少し触れているんですね。 この二人が住んでいる一応父親の持ち物のこの家、震災から仕事が上手く行かなくなり、借金のため手放すという事が二人を不安定にしている感じがします。
山内作品の映画第1作、主演は初音映莉子。 彼女はホラー作品 「うずまき」 で主演デビュー、その後、「終戦のエンペラー」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9936054.html では主人公のアメリカ人の恋人役をしていました。
まあなんと言ってもこの作品では異彩を放っているのは怪しい三浦役の三浦俊輔ですね。 いろんな作品に出演していますが、最近見たのは全4話のドラマの 「神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎」 の第4話で、これまた変わった男役でした。
物語は、住み慣れた家が無くなってしまう姉妹の焦りに、どんどん降りかかってくるいろんな事象を描いた作品ですね。 姉のエミは、不倫は会社ではみんな知っていること。 同僚は盛んにけん制してきますし、みんな見て見ぬふりを。
妹のミツコは、スナックで働き始めたことで、ある衝撃の事実を知ってしまうんですね。 そしてクライマックスは、松原の妻が訪ねてきたときに起こります。
山内監督はただでは終わらない。 そんな監督デビュー作でした。(川)

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一人で川岸で写真を撮っているミツコ

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三浦が現われ、エミに助けを求めるが

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三浦は家まで来てしまう

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エミの不倫相手の松原

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姉を連れてお詫びに来る三浦だったが

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見に行ったスカラ座に監督登場(私が行った日ではありません)