anttiorbの映画、映像の世界

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幸せなひとりぼっち

2015年作品、ハンネス・ホルム監督、ロルフ・ラッスゴード主演。

妻に先立たれたオーヴェ(ロルフ・ラッスゴード)は、ここの集合団地の元世話役だった。 今は別の人間が地区長になっているが、彼は長年この集合住宅地に住んでいて、決まり事には煩かった。 時代が変わり、一人暮らしの彼は周りから変人扱いをされていた。
しかしそんなある日、彼は会社の若い役員に呼び出され、リストラにあってしまう。 新しい就職の研修を受けるよう勧められるが、彼はそれを蹴って退職してしまった。そして、これから一人で生きていくことに希望が持てず、ロープを買い家で首を釣ろうと思っていた。 彼が欠かさないこと、それは妻の墓にお参りに行くことだった。
いざ首を釣ろうと決行をしようとした時、隣りにパルヴァネ(バハール・パール)一家が引っ越してきた。 不慣れな運転でポストを壊してしまい、結局オーヴェが運転を操作してあげる。 二児の母でさらにお腹に3人目がいるバルヴァネは、偏屈なオーヴェに対しあまり遠慮なく頼みごとをしてくる。
“梯子を貸してほしい” “娘たちの面倒を見てほしい” “車の運転を教えてほしい”、はじめはいちいち皮肉を言いながら、いやいや手伝っていたが、結局首を釣ろうとしても、ロープが切れてしまったり、電車に飛び込もうとしたら、先に線路に転落をした男を、助けてしまったり、なかなか思うようにあの世に行けないオーヴェだった。
彼のこだわりは、車はサーブだった。 小さいころから車が好きで、それも国産のサーブがお気に入りだったが、この団地で長くコンビを組んでいた友人がボルボの大ファン、そしていつしか疎遠となり、彼は今は脳こうそくから不自由な生活をしていた。
オーヴェは、亡き妻・ソーニャ(イーダ・エングヴォル)を失った思いから抜け出せないでいたが、バルヴァネ家族との触れ合いで少しずつ、心が溶かされていくのだった…

今渋谷と新宿で公開されているこの作品、どちらも混んでいましたが、私はもう1本との兼ね合いで新宿で鑑賞してきました。 スウェーデン発のヒューマンドラマという事です。
監督はハンネス・ホルム、日本では初公開なんでしょうかね? 主演はロルフ・ラッスゴード、舞台出身でスウェーデンの刑事ドラマで人気刑事役をしているそうですね。
お話は原題の彼と、若き日のオーヴェの話が行き来します。 彼の今までたどってきた人生、母に早く先立たれたオーヴェでしたが、父はそんな彼を優しく真面目に育ててくれました。 しかしそんな父も不慮の事故で亡くなり一人暮らしに。
せっかく勤め始めた父のいた鉄道会社も、同僚と喧嘩したり、家が燃えてしまったり。 しかしそんな時に出会ったのがソーニャでした。 彼女はオーヴェにとって太陽であり、心のよりどころであり、天使でしたね。
そんな彼女との生活がここで始まって行ったんですね。 しかし、幸せいっぱいの二人にも大きな困難が降りかかってくるんですね・・
オーヴェはまだ59歳、もう一回人生をやり直すことができる年齢ですが、何か異様に老けて見え、隣に引っ越してくるバルヴァネは娘に見えるんですね。 バハー・パール自身イランからこのスウェーデンに移住した女優さんという事ですが、彼女が再びオーヴェに光を当て始めるんですね。
しかし結末はこうなってしまうんだなあという悲しい展開、しかしそれが彼の運命だったとしたら、それは幸せだったのかもしれませんね。
ちょっと悲しいドラマでしたが、心はぽっかりとあったかくなりました。

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口うるさいオーヴェ

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彼は毎日妻の墓参りに行く

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彼にとって女神のようなソーニャ

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若き日の二人、この団地に引っ越してきた

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そしてソーニャは妊娠するが

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隣に越してきたバルヴァネ

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娘の面倒も頼まれる

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