京都の美大に通う学生の南山高寿(福士蒼汰)は、その日乗っている電車のむこう側のドアの脇に立っている女性が目に付いた。 はっきり言って一目惚れだった。 いつもなら声をかける度胸もない彼だったが、その時はこれを逃しては大きな後悔をしてしまうと思い、彼女が降りた駅で飛び降り追いかけた。
なぜか反対側のホームに行った彼女に、高寿は思い切って告白したのだった。 乗り越したと言い、しかしメルアドは教えてくれない。 それは携帯を持っていないからで、二人はベンチに座って少し話し始める。
彼女の名前は福寿愛美(小松菜奈)、「また会えるかな?」 といった高寿に、なぜか彼女は涙を見せるのだった。 しかしその訳は言わず、また明日と言い残してきた反対側の電車に乗って行ってしまった。
翌日、美大の授業で動物園に来ると、後ろからキリンの絵を見て 「それは張り出される画だね」 と謎めいた言葉をかけ愛美が近づいてきた。「また明日って言ったよね? 今日ここに来るって聞いたから。」 そんなことは言った覚えがなかった高寿だが、彼女に会えた喜びは大きかった。
その日の夜、正一からしっかりデートに誘えとせかされた高寿は、彼女の家に電話をかけ、映画の約束を取ることに成功する。 もちろん全部正一の言うとおりのセリフだった。
そして二人の仲は順調に発展していくのだったが…
謎めいた題名ですね。 これは予告編でしっかりネタバレしないようになっているんで、それがまず良かった。 初めから半分くらいネタバレしてしまうと、ちょっとげんなりしてしまいますし、ヘンな思わせぶりな言い方の予告編も勘弁。 この作品はそういった意味で誠実な予告編であり、なかなかの仕掛けでした。
ただ私はスルーしようかと迷っていたんですね。 それは福士君があまり好きではなかったから。 「あまちゃん」 の時の演技が、どうしても好きになれず、その他の作品でもあまり成長したと思えなかったから。
だから前作の恋愛作品はあっさりスルーしたんですが、やっぱりこの作品は気になって見に行きました。
これは大変難しい作品であり、切なく哀しい作品でしたね。 ただただ悲しい、それも主人公もヒロインも。 でもそれをしっかり受け止めていく二人、そこがまず泣けるところでしたね。
少しでも言ってしまうとネタバレになるんで、これは言えませんが、難しい設定、お話作りが大変だったと思いますし、進行に合わせていくのも大変、またその心理面が後でだんだんわかってくるのが、何とも爽やかさと理不尽さを同居した作品です。
そして福士君と菜奈ちゃんの演技もこれは良かった。 というか難しいんですよね、これを演じるのは。
スルーしないでよかった恋愛作品でした。
この絵は・・・
映画に行きませんか?
この池で昔命を救われた高寿
そして二人の仲は順調に進んでいく
抱きしめたい・・・